2016 Fiscal Year Research-status Report
教師の授業構想力を育成するタブレット端末を利用した反転授業用教材の開発
Project/Area Number |
15K01101
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
黒田 秀子 関西外国語大学, 英語キャリア学部, 准教授 (20706931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟生 日出男 創価大学, 教育学部, 教授 (20344830)
竹中 真希子 大分大学, 教育学研究科, 准教授 (70381019)
山本 智一 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (70584572)
大黒 孝文 同志社女子大学, 教職課程センター, 教授 (80551358)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小学校生活科 / 授業構想力 / タブレット端末 / 反転授業用教材 / マンガ / 学習指導案作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
小学校教員志望大学生及び現職教員に即戦力・実践力がある生活科の授業構想力を育成することを目的に研究を進めている。 研究期間の1年目には、小学校生活科の授業において、単元目標や想定している授業内容にそぐわない様相を示す事例を抽出し、その原因や理由ごとに整理分類を行った。授業設計上の想定不足、活動場面での環境整備の不十分さ、児童の発想や主体的な思考や活動に対応しきれない支援不足、安全やマナーに関する指導不足などが挙げられていた。本研究では、その中から反転授業用教材として、取り上げる内容及び活動場面の選定を行い、児童の様相と活動における問題点を盛り込んだマルチストーリーを作成した。 2年目では、マンガによる表現を進めていくためのシナリオの作成を行った。その際に、教師の支援や働きかけに着目し、1単位時間の中での問題点を発見しやすくするとともに、授業の前後の児童の変容にも目が向けられるようにシナリオの改善を行った。また、1単位時間の問題点のほか、その1時間を構想する元になる単元構想(指導計画)を提示する必要性から、当該単元の指導計画の作成も行った。前時までの児童の様相についても、児童が想起する場面を取り入れるとともに、教師目線での回想部分の追加も行った。 さらにマルチストーリーに沿ったマンガを反転授業用教材として利用し、学習指導案の修正を行うなど、問題箇所を選出した意見交流だけではなく、教員志望大学生の模擬授業の導入時に役立てることが可能ではないかと考えている。そのためにも、受講生が遠隔地で閲覧できるシステムの開発を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
マルチストーリーのマンガ表現による反転授業用教材の多様な活用に応じられるよう、登場人物の設定の具体化とシナリオの修正、指導計画の検討のため、時間を要したことが、当初の予定通りに進められていない要因の一つである。また、研究代表者の健康上の理由(視力低下)のため、計画していた実験研究ができず、結果が得られなかった。そのため、予定していた学会での発表やワークショップなどにも実施できず、研究が予定通りに進めることが困難な状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画については変更せず、本研究課題の推進を継続したい。そのため方策としては、改良したシナリオを元に、まずは紙ベースでのマンガ教材を作成し、試行する。紙ベースでの使用感や効果を質問紙調査で明らかにし、さらに改善したものをシステム上で公開できるように進めていくようにと考えている。健康上の理由についても、加療により改善してきているので、研究期間の延長も視野に入れて、結果が出せるように取り組みたいと考えている。
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Causes of Carryover |
デジタルでのマンガ作成は修正の段階であるため、完成時に謝金を支払うことにしている。また、今年度は、健康上の理由のため、実験研究及び学会への参加等が出来ず、予定していた予算の執行ができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験研究に関わり、事前事後及び結果の分析、考察を入念に行うためのミーティングを複数回予定している。その際の旅費として使用する。また、実験研究の成果発表やワークショップの実施のために、学会へ参加する際の参加費及び旅費としての使用も予定している。さらに、システムの構築及びマンガの作成に関する謝金等に使用する予定である。
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