2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Hygieiology in Modern Japan: Focusing on S. KITASATO and His Disciples
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15K01115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 あえか 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80317289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 成明 東京造形大学, 造形学部, 教授 (10585996)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ムラージュ(医学蝋模型) / 秦佐八郎 / 宮島幹之助 / 高木友枝 / 宮入慶之助 / 北島多一 / 北里柴三郎 / E. v. ベーリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は北里柴三郎を支えた最初の同僚兼弟子・高木友枝(1858-1943)と高木が後藤新平に請われて台湾に赴いた後、研究上の後継者となった北島多一(1870-1956)にウェイトを置きつつ、全体の研究成果のまとめ・公表に努めた。 高木については、特に台湾・中国関係の国内外研究者および北里柴三郎記念室のご協力を得て、2018年3月二北里研究所より論文集冊子『高木友枝 台湾衛生学の父』(ISSN 2433-7900)を刊行。なお、本冊子では高木と親交のあった宮入慶之助や伝染病研究所(現・東大医科学研究所)の歴史、加えて台湾の一番弟子・杜聡明などにも言及している。 北島については、6月末に彼の留学先・マールブルク大学で薬学・医学史研究者向けに同大で学んだ明治期の日本人医学者(宇良田唯や田原淳なども紹介)に関してドイツ語で講演を行った。また同大ベーリング文書館のエンケ博士とは、1回ずつ筆頭執筆者になって国際共著論文を投稿。査読を経て、ドイツ語論文2点とも日独両方の老舗科学史雑誌に掲載された。なお本課題をきっけかけに、マールブルクをはじめ、ベルリン、デュッセルドルフ、ゲッティンゲン、さらにスイス・チューリッヒなどのドイツ語圏大学附属医学史研究所の専門研究者たちとも頻繁に情報交換や資料のやりとりをするようになり、国際的な研究ネットワークが自然発生的に構築されたのも収穫のひとつと言える。この成果の一部は専門誌『西日本皮膚科』で2018年から再開のムラージュ(医学蝋製標本)連載番外編で発表していく。 本課題とその前2年間の挑戦的萌芽課題を加えた計5年にわたる研究成果として、貴重な歴史的所蔵品の写真をふんだんに盛り込んだフルカラー書籍『日本のムラージュ』(青弓社)を2018年1月に刊行した。テーマがやや特殊だが、写真選定および文章記述にも注意を払い、一般向け読者にも理解できる内容に仕上げた。
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Remarks |
一般流通書籍ではないが、北里研究所/北里柴三郎記念室から2018年3月に刊行された、研究冊子『高木友枝 台湾衛生学の父』にも、本課題の成果(研究分担者・大西撮影による写真を含む)が多く反映されている。あわせて参照されたい。ISSN:2433-7900.
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Research Products
(8 results)