2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K01162
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
山田 周二 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80295469)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 扇状地 / 土地利用 / 土石流 |
Outline of Annual Research Achievements |
大阪平野の北縁部および東縁部に位置する,北摂山地南麓と生駒山地西麓とを調査対象として,小規模な扇状地とその周辺地域とで,土地利用を比較した.まず,等高線形状を基に,扇状地の範囲を抽出した.そして,その下方に位置する扇状地ではない地域について,扇状地と同程度の面積の範囲を抽出した.それらを対象として,国土地理院によって1920年代および2000年前後に発行された2万5千分の1地形図を用いて,土地利用を分類した.各年次の土地利用分類結果から,地形別の土地利用の面積を集計した. 1920年の土地利用は,生駒山地西麓と北摂山地南麓とでは,やや異なる.生駒山地西麓では,いずれの地形においても,水田が57~85%を占めており,扇状地の方が,扇状地下方の平野よりも,その割合は低く,扇状地の中でも土石流危険区域で低かった.扇状地では,水田に代わって,集落・市街地および林地の割合が,やや高かった.ため池は,扇状地の2%を占めるに過ぎないが,ほとんどすべてが扇状地にあり,3分の2が土石流危険区域にあった.果樹園は2%に達しなかった.一方,北摂山地南麓では,水田が22~68%とやや低く,特に,扇状地下方の丘陵地では,その割合が低かった.扇状地では,生駒山地西麓とは異なり,果樹園が23%を占めた.ため池は,扇状地の2%を占めるに過ぎず,生駒山地西麓と同程度であるが,扇状地に集中するということはなく,扇状地下方の平野にも丘陵地にもみられた. 2000年の土地利用は,生駒山地西麓と北摂山地南麓とで同様の傾向を示す.集落・市街地が多くを占め,いずれも70~95%に達する.その残りの多くを水田が占めており,あわせて79~98%を占める.樹木畑は,扇状地の2~3%を占めるに過ぎないが,いずれの地域においても,その多くが扇状地に立地している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,大阪平野の周縁部を対象として,土地利用と地形の調査を行い,それらの関係を分析することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の展開は,2つある.一つは,今年度得られたデータと他地域との比較である.他地域においては,どのような違いがあるかを知るために,教科書に頻出する典型的な地域である,養老山地東麓と比良山地東麓において,今年度と同様の調査を行い,結果を比較する.もう一つは,野外での景観調査である.扇状地特有の景観を探すために,石垣を対象とした調査を,大阪平野の周縁部において行う.
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Causes of Carryover |
当初の見込みよりは安価で物品を調達できたため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
より広範囲で野外調査を行うために,旅費の一部として使用する.
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Research Products
(1 results)