2017 Fiscal Year Annual Research Report
Sugar and immigrants in the American west: Reexamination on the basis of the global regional geography of modernization
Project/Area Number |
15K01172
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
矢ケ崎 典隆 日本大学, 文理学部, 教授 (30166475)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地誌学 / アメリカ西部 / 砂糖 / 移民 / 近代化 / テンサイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、19世紀後半から20世紀初頭にかけての近代化の時代に展開した地域変化を、人・資本・技術・物・情報のグローバルな移動と越境に着目して明らかにすることを目的とする。そのために砂糖産業は最適な事例である。熱帯ではサトウキビを原料とした砂糖産業が、温帯ではテンサイを原料とした砂糖産業が展開した。本研究が対象とするのはアメリカ西部のテンサイ産業である。昨年度は、カリフォルニア州のサリナスバレーにおいて、ドイツ人移民のクラウス・スプレックルズと彼の設立したスプレックルズシュガーカンパニーに関して、サリナス市図書館において、社史、文化財調査記録、未公刊論文を閲覧して資料収集を行った。今年度は、サンフランシスコ湾岸地域とサクラメントバレーで操業した砂糖工場に関して大学図書館で資料を収集した。一昨年度に調査した南カリフォルニアのオックスナードにおけるオックスナード兄弟の製糖業と比較することによって、カリフォルニアの製糖業を検討することの意義を確認することができた。また、今年度は、ユタ州とアイダホ州に関して資料収集にあたった。ユタアイダホシュガーカンパニーとアマルガメイテッドシュガーカンパニーに関する文献に基づいて、製糖工場の立地を分布図に作成することができたし、テンサイ供給に重要な役割を演じた日本人移民について、またメキシコ人労働者について、ユタ大学およびユタ州立大学図書館で基本的な資料を入手することができた。3年間の研究によって、アメリカ西部のコロラド州、ユタ州およびアイダホ州、カリフォルニア州の主要なテンサイ糖地域に関して調査を行い、資本、施設・技術、原料供給、労働力について、グローバリゼーションの枠組みにおいて考察することができた。研究成果は継続して公表する。また、アメリカ西部のテンサイ糖産業をサトウキビ糖を含めたグローバルな枠組みに位置づける必要性を痛感した。
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