2015 Fiscal Year Research-status Report
科学技術イノベーションとサービスエコシステムの共進化のシステムモデリング
Project/Area Number |
15K01181
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木嶋 恭一 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (10134826)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | サービス科学 / 価値共創 / システムモデル / サービスエコシステム / 重層的イノベーション / エコシステム・イノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究全体の目的は、以下の3つにまとめることができる。 1. 社会的・経済的・文化的価値を共創するサービスシステムが連結し、適応的に進化するシステムをサービスエコシステムと定義し、そのメカニズムとプロセスを記述・分析するシステムモデルを構築する。2. サービスエコシステムの動態を、科学技術・制度などの重層的イノベーションとの共進化として捉える、サービスエコシステム・イノベーションのシミュレーション・モデルを構築する。3. サービスエコシステム・イノベーションの具体的事例を分析して、その生存持続性(viability)の促進をデザイン・支援する方法を解明する。 それに対して、今年度の実績は以下のようである。 1. 価値共創のプロセスを、(1)サービスシステムのネットワーク形成、(2)資源の統合、(3) サービスの交換、からなる適応サイクルとして定式化し、サービスエコシステムの基本モデルを構築した。2. 科学技術的、制度的、社会的イノベーション等の重層的イノベーションを、サービスエコシステムをデザインする原動力であると捉え、階層的複雑系の視点からをモデル化した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. サービスエコシステムの生存持続性等の動的特徴を抽出して、3フェーズモデルとして定式化を行った。 2. 重層的イノベーションの新たな意味づけを狙った、重層的イノベーションの階層的複雑系によるモデリングを行った。 3. 上位の成果を論文Modeling Service Ecosystems Innovation, Journal of Business and Management Sciences, 2015, Vol. 3, No. 3, 85-91その他に発表した。 4. さらに2016年に出版される英文書籍Service innovation novel ways of creating value in actor systems(Ed. M.Toivonen)の第3章にService Ecosystems Innovation in Systemic Perspective: Transitions and Co-evolutionsのタイトルで収録予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、今後は、重層的イノベーションとサービスエコシステムとの共進化を分析・解明するために、 社会シミュレーションモデルと定量的分析枠組みを開発・構築し、これを事例分析により検証する。さらに、サービスエコシステムの境界条件として「コンテクスト」の概念を用い、重層的イノベーションを包括的に事例分析することで、共進化のデザイン・支援の方法を解明する。
|
Research Products
(5 results)