2015 Fiscal Year Research-status Report
注視解析に基づく多属性意思決定時の認知プロセス分析法とマーケティングへの応用
Project/Area Number |
15K01182
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 洋貴 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (00322090)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 購買意思決定 / 人間工学 / 眼球運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,さまざまの属性を有する複数の代替案から最適だと判断するものを選び出すという多属性意思決定(Multiple Attribute Decision Making: MADM))に着目し,マーケティング分野でのMADMの応用研究における限界について,眼球運動解析を導入することで解決を目指して実施しているものである. 本年度は,昨年度に準備として実施した金融商品に着目した購買再現実験のデータに基づき分析を行い,一連の分析に基づき眼球運動解析導入に向けた分析フレームワークの構築を行った.このフレームワークの中では,特に意思決定に用いられる情報の内容およびフォーマットに基づく分類を導入している.これと眼球運動を組み合わせることで,意思決定のプロセスの観点から眼球運動に適切に解釈を与えられることを狙っている.さらに,異なるカテゴリーとして食品(レストランでの購買)を取り上げ,これを対象とした商品購買の再現実験を複数回実施し,眼球運動データおよび主観データを獲得し,予備的分析に着手したところである.予備的分析の中では,上記のフレームワークを拡張し,レストランにおける購買コンテクストを導入している.すなわち,フレームワークを異なる2つのカテゴリーにおける購買行動の分析に用いることができるように,拡張を行っている. 上記の実施内容の中から,特に学術上有意義であると思われる分析フレームワークについては,学術論文としてまとめ発表した.また,予備的分析の結果に関しては学会で発表を予定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は,多属性意思決定の典型例として購買を取り上げ,その状況下での眼球運動データからいかに意味ある情報を読み取るか,その方法論の基礎となる枠組みを構築することを主たる目的としていた.これについては少なくとも2つの商品カテゴリーについては眼球運動データの解釈のための指針ならびにその具体的手順を準備するとともにそのフィージビリティスタディも実施できた.このことから,概ね予定どおりに進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は初年度に構築した分析枠組みについて精緻化をしていくとともに,現在進行している購買再現実験をさらに推進してデータを蓄積していく.実験データに対して分析枠組みを適用することで,購買意思決定でキーとなるプロセスを眼球運動から推測する分析へと展開していく予定である.
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