2018 Fiscal Year Research-status Report
大規模救急車シミュレータの開発とそれを用いた救急車の最適配置実験
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15K01193
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
稲川 敬介 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (50410759)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 救急車 / シミュレーション / 最適配置 / 都市計画・建築計画 / 政策研究 / 救命 / モデル化 / オペレーションズ・リサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画4年目の研究実施計画は,大都市における救急車のシミュレーション実験結果の分析とまとめである.また,まとめられた研究成果を国際学会で発表し,論文としてまとめる.さらに,それらの知見を用いて応用研究に広げることである.これらに関する具体的な取り組みと活動を以下にまとめる. 1.前年度までにおこなったシミュレーション実験結果をまとめた.また,前年度,口頭発表した際のコメントを反映して,シミュレーションコードの一部改修をおこなった. 2.研究計画3年目に引き続き,秋田県の救急車システムへの適用を検討し,基礎データの作成を継続した.作成したデータを活用して,いくつかの関連研究をおこない,東北ORセミナー2018;若手研究交流会(2018年12月1日~2日,福島県福島市湯野市民センター)にて発表をおこなった.これらの関連研究では,今後検討すべき課題点もいくつか見つけられた. 3.災害時を想定した避難計画の作成支援システムについての研究をおこなった.災害時における救急車の運用についての研究から,避難計画の作成という方向に研究が派生し,日本都市計画学会東北支部北東北ブロック研究発表会(2019年3月2日,青森県八戸市八戸ポータルミュージアムはっち;発表要旨集pp.51-52)にて口頭発表をおこなった.さらに,その一部を学生に指導し,第9回データビジネス創造コンテスト(2019年3月16日,東京都港区慶應義塾大学三田キャンパス)でも口頭発表をおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では,大規模な救急車シミュレータを開発する.これを用いて,人口200万人超を想定した大都市における救急車のシミュレーション実験や,消防の広域化による県1ブロック化などを想定した広範囲の救急車システムのシミュレーション実験をおこない,適切な配備方法の提案や救急システムの効率的な運用について分析する. 研究計画4年目は,大都市における救急車のシミュレーション実験結果を分析し,それらの資料をまとめた.しかしながら,前年度から引き続く開発環境のバージョンアップによる不具合のため,計画が遅れている.口頭発表した際のコメントの対応とあわせて,シミュレーションコードの変更をおこなったが,一部不具合が解消されていない.また,前年度におこなった口頭発表にて成果発表の流れは完成しているものの,論文の作成までは至らなかった. 秋田県の救急車システムについて検討するため,秋田県の消防関連の基礎データを集めて,地理情報システム(GIS)の構築を継続した.秋田県の地理情報システムの作成を応用し,関連研究として,将来人口の推計と高齢者施設の分布についての研究発表をおこなった.また,災害時における救急車の運用についての研究から,関連研究として,避難計画の作成支援システムについての研究をおこなった.関連研究が増え,研究に広がりができ,今後の課題についても知見を得ることができた. 本年,私的な理由であるが,配偶者の妊娠・出産のため,予定していた海外発表を次年度に繰り越すことにした.本研究課題は本年度が研究計画最終年度であったが,この繰り越しにより,研究期間の延長を申請した.研究計画自体は,1年間遅れることになったが,内容的に適切な研究を遂行する.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画最終年度の方策としては,まず,シミュレータの不具合についての改修を早めに終わらせる.開発環境のバージョンアップによる不具合により,一部のコンピュータでしか実行できなくなってしまったため,研究計画に遅れが生じていると共に,シミュレータの汎用性についても問題があると考えられる.自動変換ではうまく変換されなかったことと,このような仕様変更は今後も続くと思われるので,根本的に開発環境に依存しないように配慮してコード修正をおこなう. また,研究最終年度として,研究成果をまとめて論文として投稿すると共に,国際学会で口頭発表をおこなう.国際学会の候補としては,まず,IWUOR(International Workshop on Urban Operations Research 2019,Nanzan University,Nagoya,6月19日~21日)で口頭発表をおこなう.ここで得られたコメンなどを反映して論文本体を作成し,10月までを目処に学会に投稿する予定である. さらに,研究最終年度であるので,本研究の応用として,関連研究についても検討する.この研究を通して得られた知見を用いて,救急車のシステムのみならず,災害関連の研究などの応用研究もおこなう.災害関連研究のひとつは,災害時,避難者に適切な避難所をマッチングする避難計画の作成支援システムについてである.これには,救急車システムのために作成した地理情報システム(GIS)や,数理計画法の技術が応用されている.救急車システムのシミュレーションと共に,救援活動などについての関連研究もおこなう予定である.
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Causes of Carryover |
配偶者の妊娠・出産のため,予定していた海外発表を次年度に繰り越すことにした.そのため,これに伴う研究費を次年度使用額とした.次年度は,これを用いて国際学会での口頭発表を予定している.
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Research Products
(4 results)