2016 Fiscal Year Research-status Report
トータルな視点からの鉄道のダイヤ乱れへの対応策の最適化
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15K01199
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
富井 規雄 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (50426029)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 鉄道 / 混合整数計画法 / 強靭性 / アルゴリズム / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄道において,人身事故や災害など,長時間に渡る運転中止を伴う支障が発生した場合には,折り返し運転が行われる。ただし,折り返し運転にたやすく移行できるかどうかは,折り返し可能な番線を有する駅の位置をはじめとする設備の条件,列車ダイヤ,列車の折り返し計画などの条件に依存する。すなわち,事故が発生する箇所や支障時間を想定し,それらの事故の発生に備えて折り返し運転に移行しやすいような設備や列車ダイヤを定めておくことが有用である。 本研究では,長時間の運転支障が発生した場合でも折り返し運転に速やかに移行できるようにすることを目的として,列車ダイヤ,車両運用計画,折り返し可能な番線の数や位置などを最適化することを考える。 平成28年度は,平成27年度に開発した折り返し運転を考慮した運転整理案を作成するアルゴリズムをさらに発展させ,想定される事故のケース(シナリオ)に対して,設備計画は所与とする前提で,折り返し運転に速やかに移行できる列車ダイヤを自動的に作成するアルゴリズムを混合整数計画を用いて開発した。さらに,数値実験を行なって,このアルゴリズムの有効性を確認した。このアルゴリズムで生成された列車ダイヤを計画ダイヤとすることにより,事故発生時に速やかに折り返し運転に移行することができるようになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に開発したアルゴリズムは,列車本数やシナリオの数を増やすと処理時間が急速に増加することが明らかになっている。今後は,実用規模の問題が実用的な時間で解けるようにすることを目指す。 さらに,設備計画(折り返し設備等)を最適化する方法と組み合わせることを検討する。
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Causes of Carryover |
ソフトウェアの作成外注費に充当する予定であったが,仕様の細部の決定に時間を要したため,平成29年度に使用することとしたため。ただし,全体の計画の進捗に影響を与えるものではない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ソフトウェアの作成外注費用に充当する予定である。
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