2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K01200
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
落合 友四郎 大妻女子大学, 社会情報学部, 准教授 (60423034)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 金融情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
株式市場において、様々な銘柄の収益率の間には、さまざまな相関構造があることが知られている。また、同一銘柄のdaytime returnとovernight returnの間の相関についても、アメリカ市場や台湾市場で特徴的な相関構造があることがすでに発見されている。今回、我々は日本市場でこの相関構造を解析した。 2つの変量の関係を調べる時、通常はピアソン相関係数(Pearsonproduct-moment correlation coefficient)が用いられることが多い。ところが、通常の相関係数では、相関の有無はわかっても、その方向性まではわからない。つまり時系列データA,B に対して、相関係数Cor(A,B)と、Cor(B,A)では同じ値をとるために、A とB のどちらが制御側で、どちらが被制御側かはわからない。そこで、これまでにVolatility-Constrained-Correlation(VC-correlation)と呼ぶ新しいタイプの相関を計測する手法を開発してきた。このVC-correlationを用いることにより、2つの要素A,B の間の相関のみならず因果の方向性まで検出することができるようになった。 今年度は、日経平均構成銘柄のdaytime returnとovernight returnの間の相関構造を様々な方法を用いて解析した。特に我々の開発したVC-coorelationを用いた解析では、通常の相関係数ではわからない特徴的な相関構造があることを見出した。この結果は現在論文としてまとめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Volatility-Constrained-Correlation(VC-correlation)と呼ぶ新しいタイプの相関を計測する手法を用いることにより、日経平均構成銘柄のdaytime returnとovernight returnの間の特殊な相関関係を見出すことに成功した。おおむね順調に研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在得られた結果を論文としてまとめることを最優先するが、さらに企業決算などのヒストリカルデータなどにもVolatility-Constrained-Correlation(VC-correlation)を応用していきたい。
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Causes of Carryover |
金融データの価格が高く、残高では購入することができなかったため。次年度に繰り越して使用する予定。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の残高と翌年度の助成金を合わせて、金融データを購入する予定。
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