2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K01205
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
長塚 豪己 中央大学, 理工学部, 教授 (30384738)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 極値統計 / 統計的推測理論 / リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
甚大な被害を及ぼす事象は、異常に大きな、あるいは小さなデータが観測されるようなケースで発生する。異常に大きな(小さな)データは稀にしか起こらない事象と結びついており、通常用いられる統計手法では歯が立たない。このような極値データを扱う極値統計では、極値理論に基づき、一般化極値分布(GEV)と一般化パレート分布(GPD)を用いた統一的なアプローチを用いる試みがなされている。しかし、これらは特異性を持つ分布として知られており、ある限られたパラメータ範囲でしか、各種モーメントや尤度関数が存在しない。さらに、最尤推定における漸近理論が破綻しているために、仮説検定や区間推定における体系的な方法論も構築されていない。本研究は、極値理論に基づく統計的推測理論と推定及び検定の体系的な方法論の構築を目的とするものである。 本年度は、GPDにおける全てのパラメータ範囲において一意に推定値が求められる点推定法を考案した。また、推定値の存在性と一意性に関する定理を与え、証明を行った。証明は困難であったが、Samuel Karlinらの一連の研究から知見を得、さらに中間値の定理等を駆使することにより証明に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本務校での担当科目の変更等の理由で、当初の予定よりも研究に従事する時間が少なくなってしまったが、休日の利用や様々なタスクを無駄のないように効率的に進める工夫を行った結果、当初の予定通り研究が進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
GPDについて、一致性をはじめとする各種漸近理論の構築を進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度は本務校での担当科目の変更があり、授業の準備といった本務校の仕事が大変かさんだことに加え、次年度開催の国際会議における招待講演を複数件頼まれ(一部の招待を除き、費用は自出)、次年度は予定外の旅費がかかることになったことから、当初予定していた国際会議や国内会議の出席をやめ、次年度に回すことにした。 また、当初計画していた物品購入について、学内で予算がついたためそちらで賄うこととし、残った分を次年度の招待講演への参加等に回すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度開催の国際会議の旅費、及び参加費に使用する。理由は上の通りである。
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