2016 Fiscal Year Research-status Report
研究開発コンテストの学術的累積性と技術的応用性の実証研究
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15K01218
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
岡村 浩一郎 関西学院大学, 商学部, 准教授 (80580349)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、通常の研究開発支援の枠組みとは異なり、主催者により提示された課題の解決(と達成すべき水準への到達)に向け、研究者が別途、課題解決に必要な研究にかかる費用を調達し、研究を進め、その成果、すなわち課題の解決策を主催者に提示し、一方、主催者は、優秀な解決策を提示した研究者に賞金等の報賞を与える枠組である研究開発コンテストにおける、研究の累積性と応用性の検証である。 平成28年度はまず、平成27年度の分析結果と、平成27年度後半の研究滞在先の研究者との議論等を通して明らかになった、本課題を進める上で確認が必要な潜在的課題を検証した。続いて、技術移転論を始めとする関連分野の先行研究の精査を通して仮説を検討し、研究の応用性に関する分析に進んだところである(平成28年度末)。 分析結果(中間結果)については、例えば、コンテスト参加が研究パフォーマンスに与える影響について、初回の参加が与える影響は正であり、最も大きいものの、2回目以降の参加については、研究の生産性と質の間で異なる傾向を示す傾向、開催回数と参加人数が多いコンテストへの参加が研究パフォーマンスに与える影響について、研究の生産性と質の間で異なり、また、負の方向である傾向を示唆する結果等を海外学術集会で報告し、参加研究者と意見交換をした。その結果、研究パフォーマンスの違いの原因として技術の成熟度だけでなく、コンテスト参加から得られる知識・知見の理解と吸収、そして自身の研究への適用の難易度の差違が原因であるという可能性が出てきている。また、作業については平成27年度に引き続きデータ更新・整備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度に軸としていた作業項目は、先行研究の精査による仮説の検討及びその検証であったが、平成27年度に明らかになった潜在的な課題の検証作業を追加的に実施したことに加え、本研究課題を進めるにあたり、書誌情報データベースの使用が不可欠であるが、同データベースの契約手続きが遅れたため、平成28年度最初に着手する予定であった作業項目の開始がずれ込み、その結果、平成27年度後半に着手することを予定していた分析に、平成28年度末に進んだところである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に引き続き分析・とりまとめを進めていく。遅れを取り戻すべく努めるが、それが難しいと判断される場合、研究期間(補助事業期間)の延長も視野に入れつつ研究計画を見直す可能性も検討する。
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Causes of Carryover |
未使用額が発生した主な理由は、平成28年度から使用を開始した書誌情報データベースにかかる費用が、研究計画立案時点の想定よりも低く抑えられたことである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
市場報告書(有料)含む文献資料の購入や研究機材の更新等への充足を検討する。
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Research Products
(1 results)