2016 Fiscal Year Research-status Report
船舶操縦者の行動特性に基づく着離桟操船支援システムの開発
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15K01223
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
石橋 篤 東京海洋大学, 学術研究院, 講師 (00242321)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | オペレータ / 行動特性 / 支援システム / 着離桟操船 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は移動体の安全な運航環境を実現するための環境条件を論理的に明らかにし、一般社会に対し移動体操縦者いわゆるオペレータの重要性を正しく認識させることを目的としている。さらに移動体操縦を行うオペレータの知的負担を軽減し、確実に目的を達成することを可能とする支援システムの開発を行う。近年、移動体、大型プラントで発生した事故及災害の原因はそのシステムを運用する人間にあるとされ、その割合は非常に高いと理解されている。本研究では船舶運航、特に複数のタグボートを使用した着離桟操船を例に安全な移動体運航を達成するための必要条件及び移動体操縦者の行動を詳細に分析することを目的としている。本研究では工学的な視点から人間の行動分析を行い、船舶操縦者の知的負担の軽減を目的とした支援システムを開発することを目的としている。 本年度は初年度に作成した船舶の操縦室を模擬したブリッジモックアップ内で曳船を用いた着桟操船を行う操船者の行動記録装置を用いて操船者の行動分析を実施した。 さらに、分析結果に基づき操船支援システムの基本設計仕様を決定し、プロトタイプの作成を行った。 支援システムは指令入力部、コントローラ部、意思決定用情報表示画面の3つのサブシステムで構成されている。 本年度は実務者2名によるプロトタイプの支援システムを用いた検証実験を実施し、問題点、改良点の調査を行った。 次年度は支援システムの改良を行い、本研究で開発を行った支援システムが操船者(人間)の知的負担となっている業務を支援すると共に、操船者が安全に操縦することが困難とされていた強外力下においても安全かつ効率的に操船が可能となることを実証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は内示を受けた時期が10月末であったため、当初計画していた計画を見直すこととなった。本年度は昨年度の計画と本年度の計画を並行して実施することができた。 しかし、支援システムの予備検証実験を完了することが出来なかった。 次年度は予備検証実験を継続すると共に支援システムの完成と実証試験を行う計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本課題の最終年度となる。次年度は本年度得られた予備試験結果に基づき支援システムの改良を行う。その後、実務者による実証実験を行い、本研究で開発を行った支援システムが操船者(人間)の知的負担となっている業務を支援すると共に、これまで操船者が安全に操縦することが困難とされていた強外力下においても安全かつ効率的に操船が可能となることを実証計画である。
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Causes of Carryover |
当初計画では支援システムを完成させる計画であったが、プロトタイプによる予備検証実験を完了することが出来ず、支援システムを完成させることが出来なかった。 また、本年度は本研究において操船者特性、支援システムの検証のために使用する操船シミュレータの運用計画を見直し、当初計画していた視界映像を投影しているプロジェクタのランプ交換を次年度に実施することとした。 さらに、本研究成果の発表するために計上した国際会議出席のための旅費の節約を行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は本年度の残額を使用し、支援システムを完成およびプロジェクタランプの交換を早期に実施し、最終実証実験を行う計画である。最終年度は本年度計画していた予備検証実験を行うこととしているので、プロジェクタランプの交換回数を2回実施する予定である。
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Research Products
(2 results)