2016 Fiscal Year Research-status Report
地区防災を支えるコミュニティエネルギーのデザイン手法の開発
Project/Area Number |
15K01224
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
稲垣 景子 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 特別研究教員 (20303076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 聡 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (80323939)
佐土原 聡 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (90178799)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地区防災 / 環境設備計画 / 都市・地域計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地区レベルのエネルギー利用に着目し、平常時・災害時の活動をふまえた需要密度や資源賦存量等に基づき地区特性を整理し、地区防災を支える「コミュニティエネルギー」のあり方を示すとともに、その評価指標と、災害安全性やエネルギー需給特性に基づく計画から運営に至るデザイン手法を開発するものである。 本年度は、初年度に継続して、供給系ライフライン途絶時の建物機能と防災活動に関するアンケート調査およびヒアリング調査を実施し、防災対策の現状と課題を整理した。また、地区防災を支えるコミュニティエネルギーの計画から運営に至るデザイン手法の開発を目指し、地区を構成する施設や資源、組織等(構成要素)を網羅的に調べた。商業・業務集積地区を対象としたこれらの調査結果と、各種統計データ、災害ハザード等の地理空間情報を整理したデータベースを作成し、エネルギー利用面からみた地区の防災性能の評価手法を検討した。また、既存の評価手法を参考に環境性能および持続可能性の評価手法・指標についても検討を進めた。 さらに、2016年4月に発生した熊本地震の被災地(熊本県内)において避難所等を対象にエネルギー消費量に関する調査を実施するとともに、電源・蓄電設備やエネルギー管理システムなど技術開発状況の調査、地区防災や低炭素都市・地域づくり等に関するルールおよび社会動向の調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、地区特性を整理した後にスタディエリアを選定し詳細調査を行う計画であったが、関係各所の調査協力が不可欠であり、また、特定地区での調査を通じて評価指標を整理することが最重要課題であるとの認識に至ったため、対象範囲を限定し研究を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果に基づき、さらに、平常時と災害時の活動をふまえた需要密度や資源賦存量等を推計するための調査・分析を継続し、地区防災を支えるコミュニティエネルギーの計画要件の整理につなげる。
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Causes of Carryover |
当該度内の研究成果を次年度に発表するため。また、次年度に継続して調査を実施するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果発表のための論文投稿料および旅費、調査実施のための旅費と謝金等に充てる計画である。また、研究に必要な書籍・資料代等も計上している。
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