2016 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害者へのハザードマップ等提供環境整備にむけた研究
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15K01242
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Research Institution | Hyogo Earthquake Memorial 21st Century Research Institute |
Principal Investigator |
宇田川 真之 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 人と防災未来センター, 研究主幹 (20514128)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 防災 / 視覚障害者 / ハザードマップ / 電子書籍 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続き、廉価に製作でき、検索が可能な文書構造を有する電子書籍のデータフォーマットを採用した音声ハザードマップ試作品をもとに、特別支援学校など視覚障害者からの改善点を取得した。自治体単位でのハザードマップ情報提供手法として有効との評価を受けた一方で、今後の必要な改善点も整理された。 すなわち、地図情報のみならず視覚障害者に有用な行動指針へのニーズや、豪雨災害時には土砂災害などの危険性もあることから、複数の災害を網羅したマルチハザードへのニーズ、より広域なリスク情報へのニーズなどが明らかとなった。 また、災害発生時の情報提供システムとの連携、視覚障害者の多様な状況(中途失明、先天盲等)に応じて、情報保障の提供環境は異なることなどが指摘された。そのため、これら情報環境を整備するために必要となる行政からの提供情報(施設の名称のよみ、緯度経度など)も種別ごとに、オープンデータ整備段階で対応すべき事項、情報環境として福祉的に対応すべき事項など多岐にわたる状況であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2016年4月熊本地震が発生したため、研究代表者の所属する機関では、被災地における支援業務が長期にわたり生じたため
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Strategy for Future Research Activity |
都道府県以上の広範な範囲でマルチハザードのリスク情報を取得できるホームページへの要求仕様を明らかにする。デモサイトの製作および評価にあたっては、視覚障害当事者団体の協力によりヒアリング調査等を行う。想定するホームページの機能仕様の概要は、施設名称等の文字あるいは音声入力により、該当施設等のリスク情報を出力できることとともに、視覚障害者が操作できるようスクリーンリーダーに対応することなどである。インターフェース仕様等の整理にあたっては、一般的なJIS規格(JIS X8341-3)などのWebアクセシビリティガイドラインに準拠したうえで、防災分野の地図情報の提供に特に重要性の高い事項を抽出する。また、ユーザー視点のみならず、情報提供側となる行政機関等による実務上の構築可能性についても、コスト面および技術面、また、初期構築のみならず継続的なデータ更新等の観点などから考察対象とする。そして、現実的に構築および運用の可能性が高い仕様を明らかにする。
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Causes of Carryover |
熊本地震への対応業務のため、研究計画に遅れが生じ未使用額が生じたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度作成予定のプロトタイプシステムの仕様策定のための調査費用(謝金等)、および、システムの製作費として利用する
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