2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of runout process of large-scale pyroclastic density currents based on the view point of powder mechanics, and hazard evaluation
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15K01246
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前野 深 東京大学, 地震研究所, 准教授 (20444078)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 火砕流 / 粉体 / 火山噴火 / 堆積 / 摩擦 |
Outline of Annual Research Achievements |
火砕流は,火山砕屑物と火山ガスからなる混相の流れであり,噴煙柱崩壊や溶岩ドーム崩壊により発生する。極めて危険な現象で,火山周囲に深刻な災害を及ぼし得る。本研究では,実際の火砕流の現象や堆積物のデータと,粉体(火砕物)粒子の運動におけるガスの効果や摩擦に関する理論,および従来の実験的研究の成果に基づき,火砕流の運動を特徴付ける物理量や流走・定置プロセスの理解を進めた。大規模火砕流の例として,南九州鬼界カルデラ起源の幸屋火砕流や姶良カルデラ起源の入戸火砕流など過去の堆積物,また実際に火砕流・火砕サージが観測され,災害にも発展した国内の近年の中小規模噴火,インドネシアの噴火事例などについて,現地調査により取得した堆積物データをもとに,噴火の物理量推定や火砕流の流走・定置プロセスを明らかにした。鬼界カルデラ起源の堆積物については,近傍での堆積構造や分布の詳細な調査を行い,給源付近では段階的に火道が拡大し,火砕流の給源フラックスが大きく変動していたこと,複数回の大規模火砕流のうち最大のものが遠方に到達し,幸屋火砕流を形成したことなどがわかった。また,火砕流の冷却・溶結モデルを開発し,堆積構造と堆積物空隙率との関係,溶結堆積物の形成プロセスを定量的に評価し,噴火の時間スケールを推定する手法を考案した。一方,火砕流の二次元数値モデルの開発,改良も進め,火砕流の浅水流近似によるモデル化で用いられる摩擦則(クーロン型やマニング型)や停止条件について検討し,火砕流の流走,堆積の数値実験を試みたが,実際の堆積物分布の再現にはまだいくつかのハードルがある。未解決の課題は残るものの,本研究で得られた結果は,火砕流とその堆積物の性質の理解に貢献し,火砕流による周囲への影響の評価にも活用可能なものである。
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[Presentation] Eruption history and event tree of Semeru volcano, Indonesia2018
Author(s)
Maeno, F., Nakada, S., Yoshimoto, M., Shimano, Zaennudin, A. and Oktory, P.
Organizer
Cities on Volcanoes 10
Int'l Joint Research
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