2017 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation on the structural features of active fault damage zone and activity of faults.
Project/Area Number |
15K01248
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 愛明 京都大学, 理学研究科, 教授 (90283861)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 活断層 / 断層破砕帯 / 地震断層 / 脈状断層岩 / 断層摩擦熱 / 流体化作用 / 震源断層 / 断層物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究の目的は,活断層における破砕帯のマクロとミクロ組織構造と活動年代との関係及びそれに関連した震源断層岩の物性を調べ,活断層破砕帯の構造特性・地震断層の破壊メカニズムと断層の活動性との関連性を解明することと,活断層破砕帯による地震ハザードの評価と原子力発電所のような重要施設の敷地の地震安全性評価などに科学的な根拠を提供する. 本研究では、野島断層・有馬ー高槻構造線活断層系の活動性と断層破砕帯構造について、トレンチ及び露頭スケールの調査と微細構造の解析を行った。その結果、1)断層破砕帯物質が地震時の断層摩擦熱による熱圧化と流体化作用によりネットワーク状の脈状断層岩が形成されること、2)野島断層については、断層破砕帯の岩盤が粉状に破砕されたこと、3)その変位速度は、約2mm/年に達することと、大地震の再来周期は約900~1000年であること、4)有馬ー高槻構造線活断層帯については、1596年慶長ー伏見地震により断層帯の西側の有馬温泉周辺域までに地表地震断層が現れた可能性が高いことなどが、明らかになった。 また、本研究期間中に、2016年マグニチュード7.3熊本地震では、本研究の主旨である活断層破砕帯と断層活動性の解明と密接に関連しているため、現地で地震断層と活断層との関連性の調査を行った。その結果、地震断層が既存の活断層沿いにあわられたことが明らかになった。 今年度において、関連した7編の論文を国際学術雑誌公表している。現在、一部の成果を取りまとめて、国際雑誌への投稿準備をしている。
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Research Products
(20 results)