2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of tsunami resistance of coastal forest by combining mechanistic and growth model.
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15K01254
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
鳥田 宏行 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部林業試験場, 部長 (50414264)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 限界浸水深 / 津波 / 海岸防災林 / 限界流速 / クロマツ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始時より、主にクロマツ林の成長予測および津波に対する抵抗性を評価する力学モデル構築を行ってきた。最終年度は、これらの成果を用いて、海岸防災林の成長段階ごとに、森林施業が津波抵抗性に与える影響を評価した。具体的には、海岸防災林(クロマツ林)の成長に関しては、本数密度を収量比数RYを用いて、疎管理(RY=0.6-0.7)、中庸管理(RY=0.8-0.9)、密管理(無間伐)の3つのシナリオを設定した。これらの3つのシナリオに対して、力学モデルを適用して、被害形態(根返り、幹折れ)の予測、限界流速(被害が発生する時の流速)、限界浸水深(被害が発生する浸水深)を計算した。被害形態の予測は、幹折れした立木は流されてデブリを形成し2次被害を招くが、根返り立木はその場にとどまり、抵抗体として流れに逆らう効果があることが知られているため、重要な検討事項である。本結果からは、密管理では幹折れしやすく、疎管理では根返りしやすい事が示され、森林施業によりダメージコントロールが可能であることが示唆された。海岸防災林の津波抵抗性を示す限界流速は、森林が成長するにしたがって、その値は大きくなり、疎管理のシナリオが最も津波に対する抵抗性が高いことが示された。ただし、浸水深(津波高-地盤高)が10mを超えると、シナリオ間の限界流速の値に差異がなくなり、施業による抵抗性の向上に限界があることが示唆された。また、抵抗性が最も高い疎管理のシナリオでも、限界浸水深は、8~10m程度であることが示された。
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