2015 Fiscal Year Research-status Report
画像解析と数値モデルに基づいた噴石の運動メカニズムの解明
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15K01256
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Research Institution | Mount Fuji Research Institute, Yamanashi Prefectural Government |
Principal Investigator |
常松 佳恵 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (90722207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 充宏 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (20334287)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 噴石 / 噴出速度 / 噴出角 / 着地速度 / 着地エネルギー / 御嶽山 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は火山噴火における噴石と呼ばれる火山噴出物の挙動とその運動メカニズムを、画像解析技術と数値モデルを用いて過去の噴火の痕跡などから解明し、それらを応用してコンピュータシミュレーションを行い、防災対策を推し進めるための基礎的な技術を開発することを目的とした研究である。特に①画像解析技術を用いた粒子(噴石)の堆積空間分布等をもとめる技術の確立、②数値モデルの改良とその利用による粒子運動メカニズムの解明、③噴石のハザードマップ作製と防災対策への応用の働きかけ、を目指している。 2014年に起きた御嶽山の噴火を例に、噴石の堆積空間分布等を写真などから求めることを目指していたが、写真画像等のデータの精度があまり良くなかったため、数値モデルの改良を先に行った。その結果、数値モデルには地形データを取り込むことができるようになり、さらに噴出方向の傾きなどを考慮してシミュレーションを行えるようになった。この改良された数値モデルを用いて、第一次情報として得られた噴石の大まかな分布から、噴石の噴出速度や噴出角、着地速度、着地時のエネルギーなどの推定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存の画像データを用いた解析の部分では、画像データの精度があまり良くなかったために苦戦している。しかし、一方で数値モデルの改良を行うことにより、噴石の堆積分布の精度があまり良くない状況でも噴出角度や噴出速度の推定を行うことができるようになった。また、上空からの撮影、フィールドワークは日数と条件が非常に限られたものであったが、実施した。よって、平成28年度に行う部分を平成27年度に前倒しして行い、成果を得た部分との差し引きを考えると、順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は27年度に苦戦した画像データの解析の部分を主に進めていきたい。苦戦はしたものの、調査や議論を行うことにより、技術的なサポートを見つけられたため今後は進展が期待できる。さらに、より精度の良い堆積分布のデータが得られれば、再び数値モデルとの比較もしくはインバージョンを行って、あらためて噴出速度や着地速度の推定を行いたい。また、噴石のリスク評価を行うため、建物被害、人的災害のデータを収集を行う。
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Causes of Carryover |
予定していたフィールドワークが、御嶽山の立ち入り規制のため、予定していた回数できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
立ち入り規制が解除されれば、御嶽山の山頂周辺においてフィールドワークを行う。
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Research Products
(4 results)