2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishing elemental technologies of high-sensitive MRI for molecular imaging
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15K01283
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今井 宏彦 京都大学, 情報学研究科, 助教 (40506466)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 磁気共鳴イメージング / 核磁気共鳴 / 分子イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
磁気共鳴画像法(MRI)による分子イメージングの飛躍的な高感度化を実現する構想の中で、本研究は、生体内分子の検出技術として化学交換飽和移動法(CEST)を取り上げ、これに付随する各要素技術の確立を目的とした。特に、①新規計測対象物質の探索、②CEST MRIの高速化手法の開発、③定量化手法の開発を中心に行った。以下、それぞれの研究成果にわけて記載する。 ① 新規計測対象物質の探索:CEST MRIの新たな対象分子としてドパミンとL-ドーパの2種類の候補物質を挙げ、水溶液ファントムを用いたMRI計測実験からこれらの物質がCEST MRIにより計測可能であることを実証し、その詳細な基礎データを取得した。 ② CEST MRIの高速化手法の開発:CEST MRIの高速化につながる新しい撮像法としてDANTEパルスを利用する方法を提案し、計算機シミュレーション及び水溶液ファントムを用いたMRI計測実験を通じて手法の開発を進めた。その結果、CEST MRIの高速化を可能とする撮像パルス系列の基本形を確立できた。 ③ CEST MRIの定量化手法の開発:最終年度は、CEST MRIの定量化に向けた取り組みを中心に行った。CEST MRIにより分子濃度の定量や交換速度の定量などが可能となるが、生体計測においては迅速な計測による複数の定量値の正確な推定が望まれる。その実現のために、MR Fingerprinting(MRF)と呼ばれる定量的MRIの手法をCEST MRIに適用し、その基礎的な検証を行った。従来のMRFでは、撮像パラメタをランダムなパターンで変更しながら信号収集することが基本であるが、本研究ではCEST信号の特性を数理的に解析し、その知見に基づいて撮像パラメタを決定する手法を提案した。シミュレーション実験により従来法と提案手法とを比較し、定量値の推定精度に関する基礎データを得た。
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Research Products
(10 results)