2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K01300
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
山本 健一郎 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (00434316)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 血液透析 / モニタリング / タンパク漏出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,血液透析治療の際に生じる透析液排液を非侵襲的にモニタリングすることにより,透析効率の指標となる透析量だけでなく,生体にとって有用なタンパク質であるアルブミンの漏出量なども把握できる透析システムを構築することを目的としている. 本研究では,非侵襲で試薬なども用いる必要のないモニタリング手法として,紫外光を用いた光学的手法を採用する.透析液排液中には様々な溶質が存在し,多く溶質が紫外領域に吸光度を有する.そのため,特定の溶質を分離して検出することは困難であり,溶液全体の吸光度としてモニタリングするのが現状である.我々は透析排液モニタの更なる応用として,従来の透析液排液モニターにタンパク除去処理を加え,その前後で吸光度をモニタリングすることで,アルブミン漏出量を推定できる可能性を確認しており,その実証を進めているところである.実現することができれば,より安全かつ効率的な透析治療に貢献できるものと期待される. 本年度は,昨年度に引き続き,透析液排液中に漏出するアルブミン量の推定法に関する基礎検討を進めるとともに,研究計画通りに臨床における評価を想定し,透析液排液モニター試作機を用いたin vitroにおける基礎検討を行った.その結果,本透析監視システムに適した計測条件およびデータ処理法について検討を進めることができたが,今回の試作機では測定に必要となる感度を十分には達成できておらず,計測条件の一部については評価することができなかった. 今後は,早急に試作機を改良し,必要なデータが得られるよう対応していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
透析液排液モニター試作機の性能不足により,当初予定していた適正な測定条件の評価に関する実験の一部を行うことができていないことが主な原因である.また,所属変更による研究環境の変化も一因と考えられるが,この点については改善しつつあり,今後の進捗状況も大きく改善するものと思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況はやや遅れてはいるものの,本研究では基礎検討が重要であるため,早急に試作機を改良し,実施計画書に記載した通りにタンパク処理方法ならびにシステムの構築に関する検討を進めていく予定である.なお進捗状況によっては,最後に予定している血液透析にて生じる透析液排液を用いた検証は行わなず,その代わりとして透析液排液に含まれる主成分からなる擬似透析液排液を用いた検証を行うことを想定している.
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Causes of Carryover |
研究進捗状況がやや遅れているため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遅れの原因となった試作機を早急に改良して遅れを取り戻すことで,ほぼ当初の予定通りに使用する見込みである.
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