2015 Fiscal Year Research-status Report
高分子MRI造影剤による脳微細血管網イメージング技術の開発
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15K01308
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
馬原 淳 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80416221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 哲二 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (50243126)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MRI / 高分子造影剤 / ガドリニウム / 微細血管 / 造影 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、従来の低分子MRI造影剤では描出できなかった脳の微細血管網を超高精細で描出させるための多分岐型高分子ガドリニウム造影剤を合成し、微細血管網を診断できるMRIイメージングの造影剤を開発することにある。平成27年度では、分岐型高分子造影剤の合成とその物性評価を中心として、7T-MRIを用いた造影効果のデータから微細血管網を描出できるメカニズムについて詳細に検討した。まず、微細血管網の描出に必要な分子構造を検討するために、ガドリニウム(Gd)が標識された8分岐型ポリエチレングリコール(8-arm PEG-Gd)にFluoresceinを標識して、血中造影効果を7T-MRIにより比較した。その結果、Fluoresceinでわずかに標識されている8-arm PEG-Gdでは、これまでの微細血管の造影を再現よく描出できることを確認した。一方で、Fluoresceinが標識されていない8-arm PEG-Gdを用いた場合、造影効果は示されず、造影剤は組織内へ早期に漏出する傾向が示された。そこで、それぞれの分子の流体力学半径を評価するために、動的光散乱法により分子サイズを計測した。その結果、Fluoresceinでわずかに標識された8-arm PEG-Gdは、静電相互作用に基づく一時的な凝集反応を引き起こすことが示された。また、このような凝集は造影剤のT1緩和能に影響を与えないことを確認している。この結果から、微細血管網を描出するためには、造影剤のわずかな凝集反応を誘導する事が微細血管のイメージングで必須であることが判明した。一方でこの凝集反応が、生体内における炎症反応等の惹起に係わるかどうかは不明であり今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究から、ラットの脳の微細血管をイメージングするデータの再現性が十分に確認できたこと、さらに微細血管網を描出するために必要な分子構造や物性を解明することができた。この実験データに基づいて、さらなる高感度化造影剤の設計が可能となり、また安定したMRIイメージング効果が期待できることから、今後の脳微細血管診断法への評価において基盤技術が構築できた。このことから、上記のような評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、当初の予定通りMRIを用いた微細血管の造影効果の評価を中心として、体外排泄効率の定量化や、脳微細血管のイメージング効率の定量化、さらには高分子MRI造影剤による炎症反応の惹起の有無について評価する。炎症反応の評価は、実用的なMRIの造影剤の設計において非常に重要であることから、PCR法やELISAなどを併用して慎重に検討する。
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Causes of Carryover |
平成27年度は、当初予定していた動物実験数より少ない数で評価を終えることができた。このため、合成や分析実験を主に進めたので繰越できる予算が発生した。当然ながら、平成28年度は、27年度の予定数を含めて、計画数以上の動物実験が必要であることから、次年度使用額へと繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記理由に従って、動物実験数を増やすことから、すべてラットの購入費ならびに免疫染色の試薬費用に割り当てて使用する計画である。
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Research Products
(2 results)