2017 Fiscal Year Research-status Report
酸化LDL動態イメージングに基づく新しい抗動脈硬化機序の解明
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15K01309
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
中野 厚史 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研究員 (90217787)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バイオイメージング / 酸化LDL / 動脈硬化 / 褐色脂肪細胞 / 骨格筋 / 運動負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞レベルでの研究を論拠として、動脈硬化をはじめとする各種循環器病疾患における原因因子及び憎悪因子として酸化LDLの重要性が注目されてきたが、RI標識を行った酸化LDLでの動物実験で肝臓に取り込まれ血中からはすぐにクリアランスされるなど、懐疑的な議論も数多くなされてきた。しかし、血中の微量酸化LDL計測手法が開発され、疫学的研究により改めて循環器疾患と高い相関を示すことが報告されている。 我々は、酸化LDLの体内動態を改めて見直すために、高解像度SPECT/CTを用いた酸化LDLのインビボイメージング手法を開発し、昨年度までに肝臓以外のも心臓、肺、脾臓への集積さらには、頸部から肩部への非常に高密度な集積が酸化LDLの褐色脂肪への取込であることを示し、褐色脂肪の活性化と共に取込が亢進することを示した。 本年度はこの受容体がなにであるかを、スカベンジャー受容体等の酸化LDL受容体をノックアウトしたマウス数系統を用いて、同様の全身イメージングを行ったところ、そのうち1つ系統で褐色脂肪への集積が完全に消失することが判明した。のみならず同受容体をノックアウトしたマウスでは全身への薄いが総量としては肝臓への集積に匹敵する量の集積が消失することが明らかになった。そしてこの全身性の代謝が酸化LDLが骨格筋へ集積している為であることも明らかとなった。 骨格筋との酸化LDL代謝との関連を明確にするために、現在運動負荷時にこの代謝が亢進するのか?についての研究を実行中である。さらに、上記受容体をノックアウトしたマウスと動脈硬化モデルマウスであるApoE KOマウスのダブルノックアウトマウスを作製し、動脈硬化への同受容体の影響や運動負荷による抗動脈硬化作用についての検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究により、褐色脂肪のみならず、全身の骨格筋が酸化LDL代謝に大きくかかわっているという新たな発見をした。そのため、運動負荷実験やダブルノックアウトマウスでの実験を行っているが、その作製や繁殖の遅延に伴い、計画全体を1年延長したため延長期間内に当初計画を行った実験は実施可能と考えている。 また、予備実験的に開始しているダブルノックアウトマウスの結果からは、想定通りの部分と想定外の部分がみられており、予備実験を踏まえて個体数を増やしての実験を行って行く予定である
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Strategy for Future Research Activity |
動脈硬化モデルマウス(ApoE KO マウス)に動脈硬化を作製するには通常高脂肪食負荷を行うが血中脂質が極端な異常値となるため、抑制機構が明確にならないケースが多い。そのため、通常食負荷での半年~1年飼育を行いその結果を観察していく予定である。
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Causes of Carryover |
29年度にその実証実験として運動負荷条件下でのダブルノックアウト マウスとの比較実験を開始しているが、ダブルノックアウトの作成に計画より時間がかかり解析が完了していない。 このため、運動負荷実験の解析とシンポジウムでの発表を30年度に行うこととし未使用額はその経費に充てたい。
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Research Products
(2 results)