2017 Fiscal Year Annual Research Report
Novel Preparation Methods of Anisotropic Poly(vinyl alcohol) Gels for Higher Mechanical and Swelling Performance
Project/Area Number |
15K01311
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鈴木 淳史 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (90162924)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ポリビニルアルコールゲル / キャストドライ法 / 凍結解凍法 / 高強度 / 高膨潤 / 微結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体適合性を有する結晶性ポリマーであるポリビニルアルコール(PVA)のゲル化方法として、繰り返し凍結・解凍法(FT法)とキャストドライ法(CD法)が知られている。いずれのゲル(FTゲル・CDゲルと略す)も他のハイドロゲルと比べて膨潤比が大きくかつ強度も高いが、医学や工学への実用化のレベルには達していない。そこで本研究では、従来の作製方法を基礎から見直すとともに、新しいプロセスを導入して、高い膨潤度と力学強度を併せ持つハイドロゲルの作製技術の基礎を構築することを目的とした。以下の実績を上げることができた。 (1) FT法における凍結温度ならびに凍結時間を変化させて、それぞれの最適条件を明らかにした。CD法では、乾燥温度と乾燥湿度を厳密に制御して、それぞれの最適条件を明らかにした。それぞれのゲルの作製条件が、微結晶の大きさ・数・分布に与える効果を明確にし、膨潤比(膨潤重量/乾燥重量)と力学強度(引張り、圧縮、引き裂き)との相関が明らかになった。 (2) 一方向凍結法により繊維配向したFTゲルの作製方法を確立し、膨潤比と1次元配向方向の強度を詳細に検討した。一方向への凍結速度は、温度のみならずゲルの形状にも依存するため、円管状または薄板状ゲルの作製を試み、その直径または厚さ依存性を明確にした。 (3) 積層法により多層構造を持つCDゲルの作製を試み、その膨潤比と引張り・圧縮強度を調べた。乾燥時に形成される擬2次元界面により、異方的な膨潤特性が現れ、面方向の強度と圧縮強度が増加することが明らかになった。 (4) 擬一次元もしくは擬二次元の異方構造をもつゲル網目の微視構造、すなわち微結晶の大きさ・数・分布をXRD、FT-IR、DSC測定により解析し、力学強度と膨潤比の測定結果と比較して、高強度・高膨潤比を有するハイドロゲルの作製方法を確立することができた。
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