2015 Fiscal Year Research-status Report
バイオマテリアルを用いたレーザー透過溶着法による革新的生体組織接合技術の研究開発
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15K01314
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 哲夫 九州大学, 大学病院, 准教授 (60585701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤星 朋比古 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20336019)
中楯 龍 九州大学, 先端医療イノベーションセンター, 助教 (40584470)
松田 修 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60346765) [Withdrawn]
沖 英次 九州大学, 大学病院, 講師 (70380392)
橋爪 誠 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90198664)
西村 正太郎 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70237725)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バイオアテリアル / 半導体レーザー / tissue welding |
Outline of Annual Research Achievements |
生体素材に低レベル量の熱エネルギー、圧力エネルギーを組み合わせることで、生体組織のコラーゲンと生体由来のコラーゲン(生体素材として動物由来のコラーゲンより作成された医療材料)を融解、溶着を生起し低損傷な生体組織接合技術を確立を行う。 生体素材としてのコラーゲンを応用する事によって老化などの原因で組織中コラーゲンが糖化あるいは石灰化した様な組織あるいはコラーゲンに対してエラスチンの濃度が高く低温では溶着出来ない大動脈、神経、軟骨、腱、靭帯などの生体組織を、組織が挫滅しない1Pa以下の圧迫(密着)と組織にとって可逆的な40℃~60℃の温度で短時間加熱を複合して加えることにより「生体組織と生体由来コラーゲン(生体素材)と生体組織」の三者間の溶着方法を確立するための基礎的な研究を行う。この技術により、これまで困難であった中枢神経の再建、微小血管縫合そして軟骨の再建、脳や膵臓などの低侵襲な閉鎖、止血などの生体組織接着に加えて、人工血管、ステントなどの人工物と生体組織の接合にも応用可能なまったく新しい接合技術と成り得る。 本研究では熱源として半導体レーザーを用いて極めて局所的で選択的な熱エネルギーを現在工学技術として確立されたレーザー透過溶着技術を用いる事によって生体素材を応用した、生体組織接合技術の「機序の解明」,「接着技術の最適化」,「安全性の確認」を行い、臨床応用を見据えた生体組織接合技術の確立を目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザー溶着動物実験 【実験方法】体重25-35Kgの健康なブタの腹部大動脈から左右の大腿動脈までの動脈を材料とした。実験用に独自に作成した1.46μmのレーザーをもちいて、大腿動脈を体外に摘出した後、半周切開し切開部に0.4Wの電力で一回15-20secで3-5回の照射を行った。 【結果】耐圧テスト:大腿動脈を心棒にはめ込み4mm切開部を圧迫(1mPa)し密着させた後に0.4W 30sec 3点照射を行った群で安定して300mmHg以上(366-716mmHg n=5)の耐圧能が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
この研究は損傷あるいは切断された組織に適切な圧力をかけ密着させた状態で、生体由来のコラ-ゲンを組織にとって可逆的な40℃~60℃の熱を加え、軟化させ、組織内のコラーゲン繊維と生体由来のコラーゲン線維を絡み合わせで接着させるというもので工学接着技術として開発されたレーザー透過溶着法を生体に応用する物である。 基礎的な研究(27年度)として①生体由来コラーゲンの吸光度を測定し色調を検討する。②溶着用に固形の生体由来コラーゲンで光透過性と光吸収性の固形コラーゲンを作成する。③レーザービームの波長と照射時間によって発生する温度を検討する。④溶着条件の設定:生体由来コラーゲンのレーザー透過溶着技術による溶着状態を耐圧試験を行った上、顕微鏡所見(光顕、電顕)で検討し溶着に適した温度と圧力を検討する。 応用研究(28年度以降)動物実験による生体組織と生体由来コラーゲン(生体素材)と生体組織への応用研究。①先行実験にてレーザー溶着が可能であったが、温度が高く組織学的に不可逆的な変化を生じていた、ブタ大腿動脈を用いて60℃以下の可逆的な温度と1Pa以下の圧迫圧で接着実験を行う。②同様の実験をエラスティン濃度が高くコラーゲン濃度が低い大動脈でも行い、接着後の組織内のコラーゲン濃度を測を行う。
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Causes of Carryover |
バイオマテリアルコラーゲンの生産を国内で行っている、高研との共同研究計画締結およびサンプル提供計画の締結に時間を要したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高研との共同研究計画締結およびサンプル提供計画が締結され、2016年度より生体材料を用いた実験を始める。
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