2017 Fiscal Year Annual Research Report
Impact evaluation of magnetic fields toward a target chemotherapy
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15K01328
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
柿川 真紀子 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (10359713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 外史 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 連携研究員 (80019786)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 交流磁場 / 薬剤作用 / がん細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ヒト肺がん細胞A549における薬剤シスプラチンの作用が交流磁場(60 Hz, 50 mT)曝露により増強される現象のメカニズムの解明に向けて、シスプラチンの細胞内取り込み量への交流磁場の影響を評価した。培養液に添加したシスプラチンはすべてが細胞内に取り込まれるわけではなく、いくらか培養液中(細胞外)に残る。この培養液中に残る薬剤活性を測定した結果、交流磁場曝露群では反応後に培養液中(細胞外)に残る薬剤活性が、非磁場曝露群より有意に低いことが明らかとなった。つまり交流磁場曝露群では非曝露群に比べて、細胞内へ多く薬剤が取り込まれ、結果として薬剤作用が強められたようにみえる可能性が示唆された。 また、肺がん細胞以外のがん細胞株においても交流場曝露による薬剤作用への効果があるかどうかを検討するため、ヒト肝がん細胞株における抗がん剤シスプラチン、マイトマイシンC、ドキソルビシン作用への磁場曝露影響を評価した。その結果、肝がん細胞株において、シスプラチン作用による生細胞数の減少は60Hz, 50 mT,4時間曝露では非曝露群よりさらに40減少した。また、マイトマイシンC作用においては60 Hz, 50 mT, 2時間曝露で非曝露群より生細胞数が40%減、ブレオマイシン作用においては60 Hz, 50 mT, 0.5時間曝露で非曝露群より生細胞数が40%減少し、いずれも統計処理から有意差が認められた。これらの結果より、60 Hz, 50 mT交流磁場は肝がん細胞においても薬剤作用を増強することが明らかとなった。また、効果的な交流磁場の曝露時間は薬剤の種類によって異なり、これは薬剤の反応速度に関係することが示唆された。
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Research Products
(3 results)