2016 Fiscal Year Research-status Report
MRI解析に基づく変位・変形能を反映した精緻脳模型の開発
Project/Area Number |
15K01329
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 成人 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (00403262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊本 悦子 神戸大学, 情報基盤センター, 教授 (00221383)
甲村 英二 神戸大学, 医学研究科, 教授 (30225388)
西野 孝 神戸大学, 工学研究科, 教授 (40180624)
中井 友昭 神戸大学, 医学研究科, 助教 (60596089)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MRI / brain shift / 臓器模型 / 3Dプリンター / 弾性率 / 粘弾性 / 脳腫瘍 / 脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 健常被験者での体位による頭蓋内構造物の変位・変形の解析: (1)研究課題No.1702「MR画像に基づく安静時脳位置変化・変形の非侵襲解析手法開発に関する研究」(神戸大学医学部内倫理委員会審査会承認済み)につき、これまでボランティアの健常被検者計9名に同意を得て、異なる体位(仰臥位⇔腹臥位、右向き⇔左向き)によるMRI撮像、解析を行った。(2)この結果をThe 38th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Societyにおいてポスター発表にて報告した。(3)解析手法の簡素化、時間短縮化を図るため、内耳構造を基準として異なるMRIデータボリュームで頭部の位置合わせを自動化するプログラムを開発した。 2 既開発ハードマテリアル脳モデルをマスターとしたソフトマテリアルモデルの開発: (1)昨年度購入したポータブル弾性率測定器を用いて、脳模型に反映させるべき脳実質弾性率を探るため、その近似として摘出脳腫瘍組織による測定を継続した。(2)この結果を第75回日本脳神経外科学会学術総会および10th Australasian Biomechanics Conferenceにてポスター発表で報告した。(3)研究課題No.170008「摘出脳腫瘍組織を対象とした組織の弾性率・粘弾性と病理学的変化の関係に関する観察研究」につき神戸大学医学部内倫理委員会審査会で承認を得た。(4)脳実質弾性率を参考に開発したソフトマテリアル脳を組み込んだ左前頭側頭開頭の頭蓋骨模型を試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
(1)健常被験者での体位による頭蓋内構造物の変位・変形の解析について、異なるMRIデータボリュームで頭部の位置合わせを自動化するプログラムを開発したが、マニュアルで微調整した解析手法との精度の相違があるため、さらにプログラムを改善中である。 (2)健常被験者での解析手法が確立していないため、脳疾患患者での解析には取り掛かれていない。 (3)脳実質の弾性率を反映したソフトマテリアル脳模型(左前頭側頭部)を試作し骨模型に組み込むなどしており、おおむね順調に進展している。 (4)新たに摘出脳腫瘍組織を対象とした組織の弾性率・粘弾性と病理学的変化の関係に関する観察研究を立ち上げ、当初計画と並行して行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
1 体位による頭蓋内構造物の変位・変形の解析 : (1)当初計画では、健常被験者での解析に続いて「脳に形態異常を伴う患者(脳萎縮・変形を伴う高齢者や脳卒中慢性期患者、くも膜嚢胞患者など)からMRI 撮像、データ収集、解析を行い健常被験者での結果との比較検討を行う」としていたが、現在頭部の位置合わせを自動化するプログラムを改善中であること、また新たに倫理委員会への申請、被験者の収集および解析に要する時間等を考慮すると、今年度中の脳に形態異常を伴う患者での解析は断念せざるを得ない。(2)MRIデータボリュームの頭部の位置合わせを自動化するプログラムの精度改善し、完成する。(3)解析結果の3次元的表示を目指す。 2 既開発ハードマテリアル脳モデルをマスターとしたソフトマテリアルモデルの開発: (1)開発したソフトマテリアルモデル脳の弾性率などを測定し、既知のブタ脳や摘出脳腫瘍から得られた結果と比較する。(2)ソフトマテリアル全体脳模型を完成させる。さらにソフトマテリアルによる脳血管の再現を目指す。(3)MRIデータ解析より得られた結果と頭蓋骨、脳血管モデルと組み合わせたソフトマテリアル脳モデルとの比較を行う。
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Causes of Carryover |
頭蓋内構造物の変位・変形の解析においてMRデータを高速に3次元画像処理できるソフトウェア費用、脳疾患患者MRI被検者への謝金など計上していたが、健常被験者のみでの解析にとどまっており、また解析結果の3次元表示の段階に至っていないことなどから、使用を次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
MRデータ解析処理の進捗に応じて、上記費目への使用を予定している。 ソフトマテリアルモデルを作成するにあたり、脳・血管モデル材料費などに使用予定である。 国内・国際学会での研究成果発表を予定しておりそれらの旅費、その他研究成果を論文発表するための印刷料、投稿料、文献費などに使用予定である。
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Research Products
(3 results)