2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K01331
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
呉 海元 和歌山大学, 学内共同利用施設等, 理事 (70283695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 隆史 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (30316096)
陳 謙 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (70263233)
赤阪 隆史 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70322584)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 循環器OCT画像処理 / ステント検出・認識 / 新生内膜被覆度の評価・可視化 / 脂質性プラークの検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ステント新生内膜被覆度の評価について、循環器OCT画像の中では、ステントの場所は輝度値が高い;光学中心を原点とする極座標系で、ステントの外側は扇型形状で輝度値が極端に低い。これらの特徴に注目し、自動的にステント位置の扇型領域を検出し、ステントを識別する方法を提案した。識別率を向上するために、SVM法を導入した。検出されたステント点群を利用して、最小二乗法を用いた楕円フィッチングによってステント新生内膜被覆度の2次元画像内の可視化を実現できた。この研究成果は和歌山県立医科大学の専門医と連名で2016年5月電子情報通信学会医用画像研究会に発表した。平成28年度、a)OCT画像系列を用いて、3次元空間内の新生内膜被覆度の可視化; b)新生内膜のない場合でも対応できるステント位置検出のための特徴記述法; 新規研究を開始している。 2.血管内の脂質性プラークの検出について、循環器OCT画像の中では、周囲との境界が不明瞭で漸変のある低輝度領域として現れる;脂質コアの背側は OCTシグナルが減衰するため、高輝度の幅が一般的に狭い。これらの特徴を注目し、大津の判別分析法を利用して、角度ごと、血管壁部における特徴領域分割により、脂質性プラークを識別するための有効な3つの特徴量を取得し、得られた特徴量からSVMによる機械学習を行い、角度ごとに脂質性プラークの識別を行っている。 3.Random Forest を用いた循環器OCT画像内における中膜の検出も行っている。 4.RGB-D画像よりカメラの角度を推定しながら複数平面を検出できるアルゴリズムを提案し、画像電子学会論文誌に採択された。1枚の画像から半径が同じである2つの円を検出する方法を提案し、シミュレーションと実画像を用いた評価実験を行った。この研究成果は国際会議Robotics and Biomimetics2016で口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度、分離度フィルタという統計的な画像処理方法でステントを含む扇型領域の境界線を安定に検出する方法を確立している。循環器OCT画像専用のコーナー検出フィルタを設計し、ステント点の周辺特徴を有効に表現できる9次元局所特徴量の記述法を確立している。サポートベクターマシン(SVM)を用いて再々学習まで構築された識別器を用いて、非ステントの識別率が96.0%、ステントの識別率が93.4%それぞれ達成している。識別されたステント点群に対して楕円フィッティングを行い、新生内膜による被覆状態の自動評価を実現している。平成28年度、検出されたステント位置を用いて、血管内のステント、新生内膜被覆度の3次元可視化を行っている。また、新生内膜のない場合でも対応できるステント位置検出用の特徴記述法を検討し始めている。また、循環器OCT画像から特徴取得が困難である脂質性プラークの検出、中膜の検出に着手し、これらの研究成果は2本の卒業論文にそれぞれ纏めた。さらに、Deep Learningに基づいた識別器を構築中、特許申請予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)新生内膜のないOCT画像に適応できる局所特徴量記述法(円形から扇型へ)の再検討、2)脂質性プラーク、中膜の検出率を向上するために、有効な画像前処理法、特徴記述法、後処理法などの再検討 3)検出されたステントの3次元表示と、検出された脂質性プラーク、中膜と内膜の間の3次元カラーマップ表示、それぞれの自由視点映像の作成 4)Deep Learningに基づいた識別器の構築 などについて継続的に研究を行う。
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Causes of Carryover |
製作時間や材料費などを節約するために、コンピュータグラフィックスでの3次元可視化、カラーマップ関連アルゴリズムの開発を優先して研究を行っている。アルゴリズムが決まり次第、それに合わせたハードウエアを購入予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
より高性能のコンピュータとグラフィックボード、3次元カラープリンターと材料を購入する費用と、研究成果の対外発表費用に使用する
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