2015 Fiscal Year Research-status Report
睡眠障害診断を目指した自動睡眠音検査システムの開発
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15K01335
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
榎本 崇宏 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (90418989)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 睡眠障害 / 聴覚 / 睡眠音 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠障害診断を目指した自動睡眠音検査システムの開発を目指して、平成27年度は主に以下の研究を行ってきた。1、ニューラルネットワークを用いた高速呼吸音検出法の改良を行い、方法の統計的性能評価を行ってきた。方法の有効性を理論的に検討することにより、ニューラルネットワークを使用しない方法でも、精度を維持したまま、計算速度を高速化できることが示唆された。現在、これらの結果をまとめている段階である。2、聴覚モデルの聴覚像から得られる特徴量を多項ロジスティック回帰モデルに入力することにより睡眠音の分類を行った。分類精度に関連が深い特徴量を適切に選定することにより、高い精度で睡眠音を分類できることが示唆された。この研究成果は学術雑誌に掲載された。3、睡眠音の音名化を目指して、聴覚特性を反映した絶対音感モデルに改良を加えた。このモデルを用いて、研究用音楽データベースに収録されている12個の音名を推定できるか調査を行った結果、精度良く音名を推定することができており、モデルの有効性が確認できた。この研究成果については、関連学会で報告を行っている。4、睡眠時に獲得された呼吸音を用いて睡眠状態(睡眠、もしくは覚醒)を推定する方法の開発を行ってきた。脳波から判定した睡眠状態を基に、方法の性能評価を行っているが、呼吸音の特徴量等をさらに検討する必要があると考えられた。現在、この結果をまとめている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した通り、高速呼吸音検出法の改良、性能評価、方法の有効性の理論的検討、自動睡眠音分類アルゴリズムの開発など順調に研究が推移した。一方、呼吸音情報から睡眠状態を推定する実験も開始され、これら研究の広がりという観点からも順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床データの収集、蓄積を積み重ね、睡眠障害診断を目指した自動睡眠音検査システムの開発を行っていく。ノイズ耐性に優れた睡眠音解析アルゴリズムの提案、呼吸音解析による睡眠状態推定法の提案、睡眠音による睡眠障害診断法の提案、臨床データの更なる解析などを行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
27年度中に,睡眠音解析による睡眠障害診断法、呼吸音解析による睡眠状態推定法に関する性能評価を完了し,それらの結果をもとに著名な会議で発表する予定であったが、解析結果の整理、検討、確認と論文発表の取りまとめに予想以上に時間がかかり,年度内に論文投稿から学会発表までを実施することが困難となり,未使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在、上記研究により得られた成果をまとめて論文を執筆しており、28年度中に論文投稿を行い,同年度内に著名な会議での発表を行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(4 results)