2017 Fiscal Year Research-status Report
FFT法と領域法を組み合わせたDNA ploidy解析によるがん診断法の研究
Project/Area Number |
15K01341
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
日向 奈惠 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (80587668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志水 美文 (下村美文) 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (30396759)
武田 朴 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), その他(招聘研究員) (40583993) [Withdrawn]
神田 浩明 公益財団法人がん研究会, がん研究所 病理部, 主任研究員 (90260067)
梅田 勝 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (20725684)
篠原 一彦 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (00327082)
田仲 浩平 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (60449949)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | DNA ヒストグラム |
Outline of Annual Research Achievements |
29年5月投稿予定の論文を29年7月に投稿し、第1回の査読を受け、第2回の再投稿準備中である。30年5月中には、再投稿予定である。以下のアルゴリズムの改良を行い、SI2017で、学会報告を行った。アルゴリズムの改良点:①パラメータ選択に、コルモゴルフ・スミルノフ(KS)検定を導入し、がんと正常の有意差があるパラメータを採用した。KS検定の結果採用された領域法の特徴量はDebris 、S、G2/M、overG2/Mにおける細胞数である。②ヒストグラムの形状分析を行った。がん組織は最大ピーク(PK1)の半値幅が広がる傾向がみられるので、半値幅を数値化し、KS検定の結果、有効な特徴量として採用した。また、がん組織は最大ピーク(PK1)以外にピークが存在する場合が多く、最大ピーク(PK1)と二番目に高いピーク(PK2)の比率について検討を加えた。KS検定の結果、セカンドピーク(HPK2=PK/PK1>0.5)の有無はスクリーニングの項目に、PK2/PK1は有効な特徴量の一つとして加えることができた。③領域法において、先行研究では検討から除外したpseudoを含むG0/G1領域における細胞数比率を再検討し、従来のG0/G1領域を新G0/G1領域とpseudo領域に分けて、評価したが、いずれも有効なパラメータとはならなかった。本研究の領域法において、感度88%、特異度97%であり、ROCは約0.85を示した。さらなる性能向上を目指し、FFTを用いて、ヒストグラムの形状を空間周波数分布に変換し、周期性の有無、細胞のDNA含量分布のばらつきの検討を行うことでがん診断に有用な特徴量が得られる可能性がある。さらに、本研究において、ほぼ同じ量の組織から採取された細胞数が2000個以下である組織が10%を超え、組織の採取、細胞単離から染色までの工程について改良する必要性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果を反映した論文の執筆を行い、29年7月に投稿したが、現在査読中である。パラメータなどについて改良し、12月にSI2017で発表した。学問的には、データの劣化原因を追究する必要があるが、予算と人員の不足により、実行できない状況にある。現時点では、実行可能なアルゴリズムの改良を進めているが、アルゴリズムの改良だけでは、データの劣化を補えない状況であり、実用化が遅れている。必要な機器の不足、動物実験設備の不備などがあり、他の施設との協力により進めていく必要があるが、現在加速が難しい状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現有のデータの解析とアルゴリズムの改良を進める。29年度に引き続き、大腸がんについては、領域法の改良を進め、さらにFFT法との組み合わせによる性能向上について検討する。他臓器については、大腸がんの成果に基づいて、アルゴリズムの検討を行う。画像の応用については、継続して専門家に相談するなど、検討を進める。
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Causes of Carryover |
理由:投稿中の論文の査読に時間がかかり、投稿料と英訳の費用などが生じなかった。既存のデータの解析に予想以上の時間がかかり、また標本の単離、染色担当の人手不足により、新たに標本の採取を行わなかった。結果謝金が生じなかった。 使用計画:29年度に予定していた、英文論文を投稿する予定であり、その英訳料と投稿料に使用する。解析用のソフトの保守費用などに用いる。
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