2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K01345
|
Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
井脇 貴子 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (60387842)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城間 将江 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (80285981)
米本 清 岩手県立大学, 社会福祉学部, 教授 (90305277)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 人工内耳 / 語音聴取検査CI-2004(試案) / 成人用検査法 / 幼小児用検査法 / S/N比 |
Outline of Annual Research Achievements |
【Ⅰ成人用検査法の研究】については、既存の「語音聴取検査CI-2004(試案)」の①単音節及び②単語・日常文検査を語音60dBSPLに固定した上で、雑音をS/N比3パターンを各2リストに設定した1次実験用CDを新たに作成した。研究分担施設に同一の検査用スピーカを配置し、オージオメーターとの接続、呈示音圧の校正等を行い、実験環境の統一を確認した。また、研究代表機関において、この条件で予備実験を行い、研究方法の信頼性と妥当性を検証した。1研究協力機関においては、医療機関であるため健聴者を対象とした予備実験の施行という点で倫理委員会の承認が得られなかったため、研究協力機関を拡大して依頼した。 【Ⅱ幼小児用検査法の研究】については、予備実験を行うに当たり、使用する教材玩具の継続的な統一性において問題が生じたため、まずはこの開発を行った。また、対象児へのスクリーニング検査として、絵画語彙検査とReading testに流暢性課題を加えることとした。地域性の影響を避け、言語発達における段階性を細かく検討するため全国各地に協力依頼をし、承諾を受けつつある。 【Ⅰ成人用検査法の研究】においては、倫理委員会での承認、【Ⅱ幼小児用検査法の研究】においては、使用する教材玩具の改訂が計画外に生じ、その対応のため1次実験への着手がやや遅れた。しかし、あらたな素材を使用した1次実験用のプロトコルを早急に完成し、早急にデータの収集に取りかかる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【Ⅰ成人用検査法の研究】については、虎の門病院においては医療機関であるため健聴者を対象とした予備実験を施行する点で倫理委員会の承認が得られないという問題が生じた。そのため、倫理委員会との交渉や、新たな研究協力施設の開拓に予想以上の時間を費やした。 【Ⅱ幼小児用検査法の研究】においては、使用する教材玩具の継続的な統一性について業者が困難を訴えたため、改訂の必要性が生じ、その対応のため1次実験への着手がやや遅れた。しかし、あらたな素材を使用した1次実験用のプロトコルを早急に完成し、データの収集に取りかかる予定である。 以上のような当初予期しない問題が生じたが年度内には解決した。今後は、予定通りに1次実験を全国的に展開し、継続実施していく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
【Ⅰ成人用検査法の研究】については、青年群、壮年群、中高年群を対象とした1次実験を早急に進め、結果を解析する。そして、実施方法を再検討して追加の2次検査を実施する。各年齢群100名以上を対象とする。それぞれの年齢群における各S/N 比の条件下の標準値を算出し、日常的な医学臨床上簡便に使用できる固定したS/N 比の検査法のCD と、研究用のS/N 比を自由に変化できるCD を作成する。平成28年度中、もしくは平成29年度に、作成したCD を用いて、裸耳難聴者、補聴器・人工内耳・EAS・BAHA 装用者などを対象として同様の検査を実施し、臨床応用上の問題点を明らかにし実際の運用に関する妥当性と信頼性を確認する。 【Ⅱ幼小児用検査法の研究】については、1 次実験を早急に進め、結果を解析する。実施方法と課題を整理・検討して追加の2次検査を実施する。2 次検査は各年齢群100 名以上、のべ人数約500 名に実施し、各年齢群における標準値を算出する。並行して実施した絵画語彙検査、流暢語検査、Reading Test との相関について検討する。さらに、成人で作成したCD の幼小児用を作成し、平成28年度中、もしくは平成29年度に、裸耳難聴児、補聴器、人工内耳、EAS などを対象として、医療機関で、幼小児における臨床応用上の問題点を明らかにし、実際の運用に関する妥当性と信頼性を確認する。
|
Causes of Carryover |
【Ⅰ成人用検査法の研究】において、研究協力施設において医療機関であるため健聴者を対象とした予備実験を施行する点で倫理委員会の承認が得られないという問題が生じた。そのため、倫理委員会との交渉や、新たな研究協力施設の開拓に予想以上の時間を費やし、1次実験の開始ができなかった。そのため、計上していた人件費等の執行ができなかった。また、スピーカについては既に購入済みのものが運用できた。 【Ⅱ幼小児用検査法の研究】において、使用する教材玩具の継続的な統一性について業者が困難を訴えたため、改訂の必要性が生じ、その対応のため1次実験への着手が遅れた。そのため、計上していた人件費等の執行にまでいたらなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に遅れている1次実験及び2次実験を遂行し、平成27年度予定の研究補助費の執行を計画通り行う予定である。研究協力施設に配布する検査用具、データ整理や検査協力者への謝金、学会及び会議参加費を予定している。 予定外の問題は既に解決していることから、平成28年度の予算執行は可能であると考えられる。
|
Research Products
(6 results)