2017 Fiscal Year Research-status Report
制動輻射による照射位置モニタリング手法の陽子線治療への応用
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15K01349
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
山口 充孝 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 主幹研究員(定常) (10375404)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 陽子線治療 / ビームイメージング / 制動輻射 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度実施したコリメータ材質についての検討結果を基にバックグラウンド成分の大幅低減が可能となるピンホール型X線カメラを製作した。カメラを構成する遮蔽体には、バックグラウンドの原因となるX線の発生量を低減する材料である錫を外周部に、強度確保のためステンレスを内周部に使用した。ピンホールは密度が高くかつバックグラウンドX線の発生の少ない銀合金で製作した。本装置を用いて平成30年度に照射実験を行いバックグラウン低減の効果を評価する予定である。 29年度はさらに、VETOカウンターおよびアクティブコリメータを用いたバックグラウンド低減手法を発案し、考察結果を査読付論文誌 Nucl. Instrum. Methods Phys. Res. Aに投稿した。本手法は科研費研究において実施したシミュレーションスタディによって得られたもので、バックグラウンド成分がイメージング用検出器および周囲物質の両者において同時にエネルギーを付与することを利用している。 29年度は、さらに、新たな減弱補正法を発案しシミュレーションスタディにより有効性を実証した。粒子線軌跡の定量的画像化には制動輻射が人体で受ける減弱を精確に補正する必要があり、治療前に行うコンピュータ断層撮影像を用いた補正が行われているが、より正確な補正のためには粒子線を照射しているまさにその時の減弱情報の取得が必要である。今回の発案は、電子制動輻射が通過した水等価厚さをエネルギースペクトルから推定する手法で、これにより、照射しているまさにその時の減弱情報が取得可能となる。本手法を特許出願し、さらに先述の査読付論文誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロトタイプ機の製作が若干遅れ、それに伴い実験の実施がやや遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
製作したプロトタイプ機を用いて照射実験による実用性の検証を行う。
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Causes of Carryover |
プロトタイプ機の設計に時間を要し、購入時期が次年度に変更となったため。
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