2016 Fiscal Year Research-status Report
脊髄損傷による神経因性膀胱における温度受容体の機能の解明
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15K01374
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉田 輝 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (40347109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大渡 昭彦 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (30295282)
上川 百合恵 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (70418854)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 温度受容体 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、小動物用排尿機能検査装置を用い、自然環境下でのラットの排尿行動の基礎データの収集を行った。Sprague-Dawley系雌ラット(体重 260~280 g)を動物用排尿機能検査装置(MCM/TOA-UF001-0012)の代謝ケージ内に入れ、室温 24 ℃、湿度 40~60%、7:00~19:00までの明時間、19:00~7:00までの暗時間における24時間の排尿パターンを観察した。その結果、明時間における排尿間隔は270 ± 31 分、1回排尿量は0.95 ± 0.35 ml、総排尿量は1.9 ml。暗時間における排尿間隔は135 ± 43 分、1回排尿量は0.70 ± 0.37 ml、総排尿量は4.2 mlであり、明時間と比較して暗時間において排尿回数が多く総排尿量が多いという日内変動が存在することが明らかとなった。また、本装置を用いることで、糞便と尿を正確に分離し、自然環境下での排尿量を詳細に分析することが可能であることが証明された。本機器とシストメトリーの手技を組み合わせることで、フリームービングの状態での排尿間隔や膀胱内圧に対する膀胱内や体表面への温度刺激や温度受容体TRPチャンネルの作動薬や遮断薬の作用をより正確に観察することができるとともに、自然環境下での排尿パターンへの温度受容体の関与も検討することができ、その結果を正常ラットと脊髄損傷モデルラットで比較することで、正常な排尿機能への温度受容体の関与と病態下での排尿機能に対する温度受容体の関与をより多面的に検討することが可能になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、排尿機能検査装置のセッティングが当初の予定より遅れたことと研究を遂行するための時間の確保が困難であったため、十分な実験を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
排尿機能測定装置とシストメトリーの手技を組み合わせ、正常動物と脊髄損傷モデル動物における温度受容体の排尿反射や排尿パターンへの影響を多面的に検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度中にさらに研究の遂行に必要な機器を購入するには金額が不足しており、翌年度分の助成金と合わせることで購入する必要があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
排尿機能検査装置に装着できる飲水量を測定するためのドリンクセンサーやそのデータ収集のための4chパワーユニット、マウスでの実験を可能にするためのマウス用アダプターの購入に使用する予定である。
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