2015 Fiscal Year Research-status Report
ハンセン病神経障害に対する電気刺激を用いた神経筋治療及び神経生理学的評価の研究
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15K01375
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
圓 純一郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (30587879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 幸一 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (20206478)
後藤 正道 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (80325779)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ハンセン病末梢神経障害 / 神経生理学的評価 / 電気刺激治療 / 神経再生メカニズム / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)ハンセン病の型及び障害の程度と神経伝達速度の関係についての解析 ミャンマー連邦のヤンゴン総合病院皮膚科特別外来(CSSC)のDr.Linとの間で共同研究を行うことを計画し、研究を進めるための評価表・記録用紙の作成を行った後に、ハンセン病新規患者の神経伝達速度の基礎的なデータ収集を開始している。 2)ハンセン病の運動麻痺に対する随意運動介助型電気刺激(Integrated Volitional control Electrical Stimulator :IVES)を用いた治療法の検討 ハンセン病における末梢神経障害について、その程度及び神経の再生メカニズムについてはまだ明らかでないことが数多くある。現在までの治療から、神経の障害の程度が低いにもかかわらず廃用性の二次的障害から筋萎縮及び運動障害があるのではないかと考えられる症例を数多く経験してきている。 現在までに総合電流刺激装置(EMS)を用いた治療法により、残存している筋肉を強化することで、機能の改善が図られていくことは経験済みである。しかし、筋肉量の増加は図られるもののそれが実際の運動に結びつくことは稀であり、筋肉量を維持していくために電気治療を継続して行う必要がある。現在IVESでの治療のパイロットスタディーとしてEMSでの治療を行い正中神経及び尺骨神経に関するデータの収集を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までの測定において、麻痺がほとんど見られず、手指の変形が極軽度の場合であっても、閾値を下回る明らかな神経伝導速度の低下が見られる症例や、明らかな手指の変形が見られる症例においては、その局在している支配神経の神経伝導速度は測定不能である症例を経験してきている。さらに、感覚が低下しているにもかかわらずデータ上は異常がない症例や、運動機能及び感覚は低下していないのにデータを測定することが出来ない症例等興味深い検査結果も出ている。 研究開始時にミャンマー国ヤンゴン総合病院皮膚科特別外来(CSSC)の日本光電製神経伝達速度測定装置に不具合があり、データ測定に遅れが出ていたが、2016年1月にミャンマーを訪問して機械の修理が完了し、測定を開始している。 またCSSCの他にマンダレー市にあるマンダレー総合病院皮膚科特別外来(MSSC)との間でも共同研究を行うことを計画し現在準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)ハンセン病の型及び障害の程度と神経伝達速度の関係についての解析 ミャンマー連邦・ヤンゴン総合病院皮膚科特別外来においてハンセン病新規患者の神経伝達速度の基礎的なデータ収集を行う。ミャンマー連邦のヤンゴン総合病院皮膚科特別外来のDr.Linのもと現在データの収集を開始している。 2)ハンセン病の運動麻痺に対する随意運動介助型電気刺激(Integrated Volitional control Electrical Stimulator :IVES)を用いた治療法の検討 ハンセン病における末梢神経障害について、その程度及び神経の再生メカニズムについてはまだ明らかでないことが数多くある。現在までの治療から、神経の障害の程度が低いにもかかわらず廃用性の二次的障害から筋萎縮及び運動障害があるのではないかと考えられる症例を数多く経験してきた。現在までに総合電流刺激装置(EMS)を用いた治療法により、残存している筋肉を強化することで、機能の改善が図られていくことは経験済みである。しかし、筋肉量の増加は図られるもののそれが実際の運動に結びつくことは稀であり、筋肉量を維持していくために電気治療を継続して行う必要がある。 随意運動介助型電気刺激(Integrated Volitional control Electrical Stimulator :IVES)は脳卒中や整形疾患による麻痺肢に対し、痛みの軽減や筋萎縮の改善のために皮膚を通して神経や筋肉へ電気刺激を送り、筋肉を収縮させて運動を補助してくれる機器である。IVESにより筋力増強を行うことによる治療経過のデータ収集を行うことで、治療効果の判定及び廃用性の二次的障害からの筋萎縮及び運動障害の判定を行なっていく。さらには、神経伝達速度や筋電図などの神経生理学的手法を用いて神経の再生もしくは機能強化が行われているのかの判定を行っていく。
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Causes of Carryover |
平成27年度において、研究開始時にミャンマー国において使用する機器に不具合が生じていることが発覚しその機器の修理に時間を要したため、当初計画していたデータ収集のための渡航回数に達しなかったため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度はミャンマー国への渡航回数を増やし、データの収集を行っていくことを計画している。
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Research Products
(2 results)