2016 Fiscal Year Research-status Report
大規模データベースを活用したリハビリテーション疫学・経済学研究
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15K01395
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
百崎 良 帝京大学, 医学部, 准教授 (70439800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安保 雅博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00266587)
角田 亘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (00453788)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リハビリテーション科専門医 / データベース / 脳卒中 / 週末リハビリテーション / 言語聴覚療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本リハビリテーションデータベース(Japan Rehabilitation. Database: JRD)を用いて、3つの研究報告を行った。 ①まずは脳卒中急性期患者に対する週末リハビリテーションの効果を日本リハビリテーションデータベースを用いて検討した。週末リハビリテーションを受けた患者はそうでない患者に比べ、転帰良好(退院時)の割合が高く(43.3% vs 37.6%; P=0.002)、そのオッズ比は1.6であった。多変量解析でも同様の結果であった。 ②次に脳卒中急性期後の認知機能に対する言語聴覚療法の効果を日本リハビリテーションデータベースを用いて検討した。集中的言語聴覚療法を受けた患者はそうでない患者に比べ、認知FIM効率が有意に高かった(平均値, 0.17 vs. 0.10; P < 0.001)。多変量解析でも同様の結果であった。 ③そして回復期脳卒中患者に対しリハビリテーション科専門医が関わることが機能予後を改善させるかどうか日本リハビリテーションデータベースを用いて検討した。専門医が関わった患者はそうでない患者に比べFIM効率が有意に高かった(平均値, 0.31 vs. 0.28; p=0.035)。 日本リハビリテーションデータベース構築事業は順調に推移しており、20近くの施設より600件以上のデータが収集された。脳卒中が300人以上, 大腿骨近位部骨折が100人以上, 肺炎が200人以上のデータである。 頭部外傷データバンクのデータを入手し、予後に影響を与える因子についての解析に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本リハビリテーションデータベースを用いて複数の解析を実施した。解析結果は英語論文として論文発表した。また、リハビリテーションと栄養に関するデータベース事業は順調に推移しており、600件以上のデータが収集された。頭部外傷データバンクのデータ入手にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
日本リハビリテーションデータベース(JRD)を用いて、大腿骨近位部骨折患者に対する術前リハビリテーションの効果、週末リハビリテーションの効果、自主トレーニングの効果を検証する。また、脳卒中急性期患者に対する集中的作業療法の効果をJRDを用いて検討する。JRDを用いて脊髄損傷患者に対する装具療法の効果を検証する。 日本リハビリテーション栄養データベースの記述疫学論文を作成、その他協力施設よりリサーチクエスチョンを募り論文化を行う。 頭部外傷データバンクのデータを用い、脳外傷患者の予後に与える因子について検討を行う。
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Causes of Carryover |
国際学会での発表やJournal掲載費として使用予定であった費用が、研究代表者の転勤に伴い実施困難となったプロジェクトがいくつか生じたため、次年度使用額として残ってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在、転勤先で未実施のプロジェクトを実施できる体制を整えつつある。未実施であったデータベース解析と研究結果の公開、データベース事業の継続を行って行く。
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