2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K01402
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
関 聰介 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10341124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿原 彰夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10138117)
平岡 崇 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20351926)
目谷 浩通 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30330583)
花山 耕三 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80189589)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 嚥下関連筋 / 廃用性筋萎縮 / 超音波断層装置 / オトガイ舌骨筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
嚥下関連筋の筋量を定量的に評価する方法は確立されていない.超音波断層装置を用いてオトガイ舌骨筋の面積を計測することが可能であるが,われわれはこの評価法の検者内信頼性と検者間信頼性が非常に高いことを確認しており,嚥下関連筋の筋量を非侵襲的かつ定量的に評価する方法であると考えている. 本評価法を用いて,嚥下関連筋の筋量変化を経時的に評価していく縦断的研究を実施した.予定手術患者44名に対して,術前,術後7日目,14日目でオトガイ舌骨筋面積の計測を行った.同時に,四肢骨格筋量や栄養状態の指標として,大腿四頭筋厚,握力,%AMC,血清アルブミン値,BMIの計測を行った.その結果,術前と術後7日目,術前と術後14日目でオトガイ舌骨筋面積,大腿四頭筋厚,握力,%AMC,血清アルブミン値は有意に低下した.%AMCは術前と術後14日目で有意に低下した.この結果から,手術侵襲や術後廃用による筋萎縮は,四肢体幹の骨格筋のみならず嚥下関連筋においても引き起こされる可能性が示された.そして,オトガイ舌骨筋の筋萎縮は,術後早期から引き起こされ,術後14日経過しても萎縮したままであることが示された.さらに,術後の食事摂取量が不十分な患者は,オトガイ舌骨筋の筋萎縮のリスクが高いことが示された. 今後は,嚥下関連筋の筋萎縮予防を目的とした電気刺激療法やリハビリテーションの効果についての研究を進めていきたいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は,超音波断層装置を用いて嚥下関連筋の筋萎縮を証明する研究まで行った.この分野の研究報告は少なく,自ら学術集会や勉強会に参加し,専門分野の方との意見交換,新しい知見を得ることが必要であった.そのため,研究はおおむね計画通りに進んでいるが,交付申請時の計画より旅費の割合が増えている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,平成29年度は,嚥下関連筋の筋萎縮予防を目的とした電気刺激療法やリハビリテーションの効果についての研究を進めていきたいと考えている.
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Causes of Carryover |
平成28年度後半から,嚥下関連筋の筋萎縮予防を目的とした電気刺激療法に関する研究を開始する方針であった.しかし,研究を開始する前に,これまで行った研究成果の報告や情報収集を行う必要があったため,電気刺激療法に関する研究は,平成29年度から開始する方針としたため,未使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は,嚥下関連筋の筋萎縮予防を目的とした電気刺激療法やリハビリテーションの効果についての研究を進める予定である.未使用額は,電気刺激療法に必要な電極など,研究遂行に必要な消耗品の購入,研究成果報告や情報収集のための学術集会参加のために使用する計画である.
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Research Products
(2 results)