2017 Fiscal Year Research-status Report
脊髄損傷患者の呼吸運動評価と強制吸気・呼気の有効性
Project/Area Number |
15K01403
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
花山 耕三 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80189589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 崇 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20351926)
関 聰介 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10341124)
目谷 浩通 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30330583)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 呼吸 / 呼吸リハビリテーション / 動作解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
頸髄損傷患者の自発呼吸パターンについて、慢性期の頸髄完全損傷患者5例(ASIA impairment scale A; 神経学的レベルC4~C8)に対して、姿勢を変えた際の上部胸郭、下部胸郭、腹部の各コンパートメントの運動解析を三次元動作解析装置を用いて行った。姿勢は、臥位、頭部挙上30度、頭部挙上60度の3姿勢とし、呼吸パターンは安静時呼吸と深呼吸(吸気、呼気とも最大努力)について行い、次の結果を得た。1)安静時呼吸では、健常者に比べて上部胸郭の運動は小さく、吸気時に上部胸郭体積が減少する奇異性パターンを呈していた。深呼吸時には奇異性パターンは認められなかった。2)安静時呼吸、深呼吸とも換気量の大きな部分を腹部コンパートメントが占めていた。3)頸髄損傷患者では予備呼気量にあたる体積変化が減少する傾向を認めたが、有意差は認められなかった。姿勢の影響が認められ、頭部挙上位よりも臥位で腹部の運動ならびに全体の換気量が大きいことが示された。なお、この結果については論文化され、掲載された。また、各コンパートメントの位相のずれにつき解析し、その結果について第11回国際リハビリテーション学会(ISPRM2017)で発表した。 本研究の主眼である排痰補助装置(Mechanical insufflation-exsufflation; MI-E)の影響については、現在頸髄損傷者でデータ収集ならびに解析中である。MI-Eの設定圧を段階づけし、そのときの胸壁の動きを三次元動作解析装置で記録し、各コンパートメントの体積変化やそのタイミングにつき検討している。今後、解析を進めて得られた結果を、学会発表、論文化につなげたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
頸髄損傷患者の各コンパートメントの解析法を確立することに時間を要したため、MI-E(Mechanical insufflation-exsufflation)の影響についてのデータ収集、解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
MI-E(Mechanical insufflation-exsufflation)の影響については、現在頸髄損傷者でデータ収集ならびに解析中である。MI-Eの設定圧を段階づけし、そのときの胸壁の動きを三次元動作解析装置で記録し、各コンパートメントの体積変化やそのタイミングを解析中である。今後、症例を重ねて解析を行い、学会発表、論文化につなげたい。
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Causes of Carryover |
研究の遅れのため、研究期間の延長と次年度使用額が生じた。本研究の目的である排痰補助装置の頸髄損傷者への影響についてのデータ収集、解析を行い、消耗品購入、結果の検討のための出張旅費、学会発表と情報収集、論文作成のために使用する予定である。
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Research Products
(4 results)