2016 Fiscal Year Research-status Report
片麻痺上肢に対する中枢性および末梢性電気刺激の併用療法の最適化に関する研究
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15K01405
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 教授 (20269070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松嶋 康之 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10412660)
白石 純一郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (20525430)
伊藤 英明 産業医科大学, 医学部, 助教 (30609201)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非侵襲的大脳刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中片麻痺上肢に対する治療法は脳の可塑性が明らかとなった今日、ニューロリハビリテーションとして様々な治療法が考案されている。その中で電気治療を用いた方法は簡便であり有用性が高い。本研究では、脳卒中片麻痺上肢に対して、中枢性および末梢性電気刺激治療を併用した新しい治療法の効果を明らかとし、治療効果の高い条件を抽出することで本併用療法の臨床適用を確立することを目指している。 脳卒中片麻痺上肢に対する中枢性電気刺激(経頭蓋直流電気刺激:tDCS)と末梢性電気刺激(随意運動介助型電気刺激:IVES)の併用療法の治療効果および治療の最適条件を明らかとするために、以下の研究項目を予定している。1.亜急性期脳卒中片麻痺患者を対象に、上肢の運動麻痺に対するtDCSおよびIVESの各単独療法治療群と併用療法治療群との治療効果を比較し、併用療法の効果を明らかとする。2.各治療群対象者において血液中のBDNF遺伝子多型を同定する。治療効果に影響を与える遺伝子多型を明らかとすることにより、最適な治療条件を提示する。 平成28年度は、平成27年度に確立した方法で上記1及び2に関して、亜急性期脳卒中片麻痺上肢に対するtDCS+IVES併用療法を十数名の対象者に実施した。すなわち、対象者を計画通り3群に区分し(tDCS単独群、IVES単独群、tDCS+IVES併用群)、各介入を実施し介入前後の運動機能他を比較分析した。各群とも運動機能の改善が得られ、介入実施による有害事象や副作用は認めなかった。次年度以降も対象者を増やして最終分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り順調に対象者がリクルートされ、研究計画に沿って実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更はなく、実施上の問題はない。 今後、計画通りに対象者を増やしてゆくことで、研究は順調に進むと考えられる。
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Causes of Carryover |
採血を実施した検体のBDNF濃度および遺伝子多型の測定は、測定のバラつきを抑える必要から対象者毎に実施せず、次年度以降に全症例をまとめて実施することとした。そのため、平成28年度は、本来必要となる測定試薬およびキット等の経費が支出計画より随分抑えられた形となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
BDNF濃度および遺伝子多型の測定を最終年度の平成29年度にまとめて実施するため、測定に必要とする経費に充当する予定である。
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Research Products
(2 results)