2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K01417
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩永 竜一郎 長崎大学, 医歯学総合研究科(保健学科), 准教授 (40305389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙石 泰仁 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10248669)
徳永 瑛子 長崎大学, 医歯学総合研究科(保健学科), 助教 (10710436)
伊藤 祐子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (60289973)
加藤 寿宏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80214386)
笹田 哲 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (80269513)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発達障害 / 協調運動 / 認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
学校で用いることができる発達障害児の協調運動検査を作成するために既存の協調運動検査と認知検査を発達障害児に施行し、協調運動機能と認知機能の関係をとらえた。対象は市内の小学校の特別支援教育を受けている47名(男児42名、女児5名)の発達障害児であった。Movement Assessment Battery for Children-2 (MABC2)とKauffman Assessment Battery for Children-Second Edition (KABC-IIを対象児に実施し、MABC-2の下位尺度のスコアとKABC-IIの下位尺度のスコアの相関をとらえた。 その結果MABC2の総合点とKABC-IIの認知処理尺度(r =.288, p =.049)および習得度尺(r =.301, p =.004)との間に有意な相関がみられた。MABC2の「手の器用さ」はKABC-IIの同時尺度と有意な相関を示した(r =.448, p = .002)。更にMABC2の「バランス」のスコアはKABC-IIの書字(r=.506, p =.000) および(r =.461, p = .001) と有意な相関を示した。 結果から、発達障害児にみられる認知や学習の問題が運動面の問題と関係していることが示唆された。とりわけ「手の運動」や「バランス」のスコアが認知機能や学習機能と関係している可能性があるため、これらの要素をとらえる検査を今後開発すべきと考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は4年間で完遂することを目指している。初年度は学校で使える協調運動検査を開発するための基礎的な研究として、既存の協調運動検査を用いて発達障害児の協調運動能力をとらえ、さらに発達障害児の認知、学習機能と協調運動の能力の関係をとらえた。この研究で発達障害児の協調運動の問題について一定の知見が得られたため、現在のところ進捗状況はおおむね進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を踏まえ、学校で使える協調運動検査を作成し、その有用性について確認する。 「手の器用さ」や「バランス」に関する検査群を設定し、データを収集する。そして、検査の判別有用性や信頼性、妥当性などを検証する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は発達障害児の協調運動障害の特性をとらえるための研究を実施した。当初、協調運動の問題をとらえるための検査器具を作成する予定であったが、本年度はそこまで達成することができなかった。そのため、検査器具作成のために計上していた予算の一部が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は本年度の研究で明らかになった発達障害児の協調運動の問題をとらえることができる検査器具を作成する。 そして、それらの有用性についても検証する。
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