2018 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical features and functional prognosis that reveal in postural changes in frail elderly
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15K01426
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
樋口 由美 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (60312188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 晃 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (90382241)
淵岡 聡 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (30290381)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高齢者 / 姿勢 / 背筋力 / 運動プログラム / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
虚弱な高齢者は、自立した高齢者と比較して身体・認知機能が全般的に低下しているため、歩行能力や認知機能などを用いた転倒リスクのカットオフ値をほとんどが下回る集団であり、高齢者向けの転倒 予防ガイドラインに示される転倒リスク評価の適合性に限界がある。申請者らは「背中が丸くなってきた」という主観的評価が虚弱な高齢者の転倒リスクと強く関連することを明らかにしてきた。本研究の目的1は、虚弱高齢者に対して主観的な評価によらない脊柱弯曲角度から実測評価し、歩行能力、転倒歴、身体・認知機能等との関連性を検討することであった。その結果、平均年齢83.5歳の集団において、主に以下のことを明らかにした。腰椎前弯の低下に伴い、高齢傾向、BMI増加、腹筋群・背筋群と底屈筋力の有意な低下を認めた。姿勢前傾角が増大するほど、高齢、身体機能の成績が低下、背筋群と底屈筋力の低下を認めた。転倒歴は、姿勢前傾角の増大につれて上昇した。骨密度の指標%YAM値は脊柱弯曲角度と有意な関係を認めなかった。 目的2は、脊柱弯曲角度の虚弱高齢者における機能的予後の予測因子としての有用性と、その効果的予防措置について検討することであった。分析の結果、虚弱高齢者の胸椎後弯角度の増加は、易転倒性をもたらしやすく、歩行の実用性低下(歩数の低下)にも関連していた。そこで、予防措置として脊柱弯曲角度の可逆性を検討した。8週間の背筋力向上プログラムを実施した結果、背筋力・背筋持久力の有意な向上と共に、胸椎後弯角度の有意な減少を認めたものの、臨床的有意差には至らなかった。しかし、申請者らが開発した背筋力向上プログラムは、従来の床上での運動とは異なり、椅子座位で効果的に実施することができるため、虚弱な高齢者の胸椎後弯角度の予防的介入として有用であると考える。
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Research Products
(8 results)