2016 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮に対する再荷重過程における微細筋損傷と酸化ストレスとの関連の解明
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15K01434
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 昇 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (60460391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 史明 帝京大学, 医学部, 准教授 (40286993)
萩原 宏毅 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (80276732)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 筋萎縮 / 酸化ストレス / 再荷重 / 微細筋損傷 / 炎症性サイトカイン / 抗酸化力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、萎縮筋に対する再荷重過程において、微細筋損傷と酸化ストレス及び抗酸化力の変動を評価し、廃用性筋萎縮に対する運動療法における酸化ストレス、抗酸化力が運動負荷の新たなバイオマーカーとなりうるかについて検討することである。 平成28年度は、C57BL6系雄マウスを用い、コントロール群、筋萎縮群、再荷重群のそれぞれについて、形態・組織学的解析、マイクロアレイ法による遺伝子発現の網羅的な解析に着手した。また、筋生検における病理学的解析と炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-2、TNF-α)及び酸化ストレス解析(ヒドロペルオキシド)についても検討した。誘発された廃用性筋萎縮モデルマウスでは、短時間(24時間)の再荷重による筋萎縮の改善は認められなかった。同様に再荷重における微細筋損傷はHE染色やマクロファージ免疫染色の結果から、明らかには認められなかった。炎症性サイトカインであるIL-1β、IL-2、TNF-αのいずれも筋萎縮時に最大値を示し、IL-1β、TNF-αは再荷重時に低値を示した。血清ヒドロペルオキシドでは筋萎縮時に比べて再荷重時に高値を示した。また、骨格筋マイクロアレイ解析では、Ncf1、Ncf2は筋萎縮及び再荷重時に発現量が増加し、Nox4は筋萎縮時に発現量が増加した。以上の結果から、酸化ストレスと炎症性サイトカインの動態は廃用性筋萎縮誘発と再荷重のプロセスの一部を反映するため、バイオマーカーとしての可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
廃用性筋萎縮モデルマウスに対する再荷重の骨格筋の微細筋損傷の生理学的解析、病理学的解析、酸化ストレス解析とした研究予定はほぼ計画通り解析が進み、遺伝子発現を網羅的な解析まで実施した。しかし、筋萎縮、再荷重時の抗酸化力および骨格筋構成タンパク質発現の生化学的解析は十分に解析ができていないため、やや遅れているとした。次年度実施してより多角的に評価を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究計画のうち未着手である廃用性筋萎縮モデルマウスに対する再荷重の骨格筋の骨格筋構成タンパク質発現の生化学的解析は、次年度に実施してより多角的に評価を進めていく。さらに、廃用性筋萎縮モデルマウスと再荷重及び他の運動療法モデルの併用療法など、骨格筋の微細筋損傷過程で実現できるように取り組む。その上で、治療群、対照群における廃用性筋萎縮モデルマウスの骨格筋の微細筋損傷の病理学的解析、酸化ストレス・抗酸化力、遺伝子発現の網羅的な解析や骨格筋構成タンパク質発現の生化学的解析などもさらに実施できるように取り組む。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、当初計画よりマウスの使用数が少なかったことや、生化学的解析が未着手なことにより未使用研究費が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の未使用研究費は、平成29年度の研究費と合わせて消耗品の費用として使用する予定である。これらには、実験動物の費用、抗体や各種試薬、プラスチック用品が含まれる。
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Research Products
(12 results)