2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the relationship between microscopic damage to the muscle and oxidative stress during muscle atrophy and reloading.
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15K01434
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 昇 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (60460391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 史明 帝京大学, 医学部, 准教授 (40286993)
萩原 宏毅 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (80276732)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 筋萎縮 / 酸化ストレス / 再荷重 / 微細筋損傷 / 炎症性サイトカイン / 抗酸化力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,廃用性萎縮筋に対する再荷重過程において,微細筋損傷と酸化ストレスおよび抗酸化力の変動を評価し,廃用性筋萎縮に対する運動療法における酸化ストレスおよび抗酸化力が運動負荷の新たなバイオマーカーになりうるかどうかについて検討することであった.我々がすでに確立しているプロトコールと同様に,C57BL6マウスを用いて,コントロール群,ギプス固定群,再荷重群に分類し,形態・組織学的解析およびマイクロアレイ法による遺伝子発現の網羅的解析を実施した.さらに,酸化ストレス度,抗酸化力および還元度のそれぞれの項目を定量化した.その結果,2週間のギプス固定により,筋湿重量が減少し廃用性筋萎縮が誘発された.再荷重 1 日では廃用性筋萎縮の改善は認められなかった.また,再荷重1日後には炎症細胞の浸潤がみられ,微細な筋損傷が生じている可能性が示唆された.しかし,再荷重2週では廃用性筋萎縮の筋湿重量や筋組織像の改善が認められた.酸化ストレス度は,実験期間を通して基準値範囲であった.しかし,抗酸化力と還元度のそれぞれは,廃用性筋萎縮(廃用性筋萎縮誘発2週)では基準値より有意に低下し,再荷重 1 日後にはさらに低下した.その後,経過とともに基準値範囲まで回復した.マイクロアレイ解析は,Ncf1,Ncf2などの酸化ストレスに関わる遺伝子発現の変動が認められた.従って,本研究結果から,廃用性筋萎縮に対する再荷重過程において,初期段階で酸化ストレスが関与していることが示唆された.また,d-ROMsテスト(酸化ストレス度計測)およびBAPテスト(抗酸化力計測)を実施し酸化ストレスの状態を評価することは,廃用性筋萎縮の病態理解と新たなバイオマーカーとして寄与する可能性が考えられた.
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Research Products
(7 results)