2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K01436
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
伊東 佑太 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 講師 (30454383)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 筋萎縮 / 筋損傷 / 炎症反応 / 運動負荷強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに我々は、尾部懸垂による後肢筋の筋萎縮モデルマウスに対して立ち上がり運動を負荷する実験を行い、運動負荷が筋萎縮からの回復促進に有効であることを明らかにした。これらの萎縮筋の回復変化は、健常筋の肥大時よりも出現時期が早く、変化量が大きいことから、萎縮筋の回復時と健常筋の肥大時とでは異なるメカニズムが働いていると考える。この運動による筋萎縮からの回復促進時には、筋衛星細胞由来と考えられる新生細胞が既存の筋線維に融合し、筋線維核の数が正常の1.5倍に増えることも判明した。筋衛星細胞の活性化、分化、融合といった現象は、筋損傷からの再生時にも報告されていることから筋損傷や炎症反応の発生が筋萎縮からの回復促進効果に関与していることが予想される。 そこで、初年度には電気刺激により強度をコントロールした等尺性筋収縮運動を負荷できるマウスモデルを用いて、定量的な筋損傷を引き起こす運動強度や運動様式を検証した。この結果を元に平成28年度には、筋収縮運動の強度の違いによる筋損傷の有無や程度と、筋萎縮からの回復促進効果との関係を生理学的、細胞組織学的に検証した。その結果、筋収縮運動によって生じる筋損傷の有無に関わらず、運動負荷によって筋力や筋線維横断面積における筋萎縮からの回復促進効果が同等程度に現れた。また、筋損傷の範囲が大きくなるような高強度の筋収縮運動を実施すると、筋萎縮からの回復促進効果が制限されることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画にあった運動強度の違いによる筋損傷程度と筋衛星細胞の増殖や分化様式や筋萎縮との回復促進効果は検証することができた。炎症反応に関わる因子との関係は検討するに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、これまでに確認ができた筋収縮運動モデルを使って、筋損傷に伴う炎症反応と筋萎縮からの回復促進効果との関係性を精査していく。
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Causes of Carryover |
キャンペーン等利用し消耗品費を安く抑えることができた。また旅費も早期予約の割引により計画よりも安く抑えることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度同様次年度も、為替変動により値上がりした舶来の抗体などの消耗品購入に当てる。
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