2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢糖尿病患者の膝伸展筋力の縦断調査とロコモを予防する運動療法プログラムの確立
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15K01440
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
野村 卓生 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (30423479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河江 敏広 広島大学, 病院(医), 理学療法士 (00598948)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高齢糖尿病患者 / 膝伸展筋力 / 眼圧 / 運動療法 / ロコモ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,研究期間内に以下の1)~3)を行い,研究目的を達成する計画である.1)高齢2型糖尿病患者において,3年後の膝伸展筋力低下の程度と,糖尿病多発神経障害の合併による影響を明らかにする.2)下肢筋力増強が可能(積極的な運動療法が適応となる)な高齢2型糖尿病患者に適した運動療法プログラムを考案し,その安全性を明らかにする.3)考案した運動療法プログラムを用いて高齢2型糖尿病患者を対象に介入研究を実施,糖尿病コントロールをふまえ,ロコモ予防(下肢筋力維持・増強への効果),糖尿病コントロールに与える効果を明らかにする. 平成29年度において,1)については,若手研究B・課題名「2型糖尿病患者における膝伸展筋力の参考基準値の確立(H23~H25)」(以下,「前回の研究」と言う)のデータを基礎データとして,前回の研究の協力施設である公立陶生病院(愛知県),公立豊岡病院日高医療センター(兵庫県),製鉄八幡病院(福岡県),市立伊丹病院(兵庫県),市立吹田市民病院(大阪府),公立甲賀病院(滋賀県),金沢赤十字病院(石川県),KKR高松病院(香川県),広島大学病院’(広島県)の計9施設においてデータ収集を行った.2)については,研究分担者の河江敏広氏が所属する広島大学病院において,有酸素運動およびレジスタンス運動の強度・種類・持続時間の差異が眼圧に与える影響を測定し,眼圧の上昇予防という面から適切な運動療法プログラムの検討を健常群および糖尿病群で行った.3)については,研究協力施設として,君津中央病院(千葉県),千葉中央メディカルセンター(千葉県),さぬき市民病院(香川県),KKR高松病院(香川県),周東総合病院(山口県),平成29年度には新たに一宮西病院(愛知県)を追加して,計6施設において介入研究を実施中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究については,研究代表者の所属施設である関西福祉科学大学研究倫理委員会の承認を得ている(承認番号14-43).以下に,1)~3)の研究区分毎に現在までの進捗状況を示す. 1)課題名「高齢糖尿病患者の膝伸展筋力の縦断調査」(UMIN000029617).前回の研究での協力施設は全30施設であった.本研究においては,前回の研究で協力頂いた施設のうち計9施設から協力を得ることができた.この9施設においてこれまで3年間にわたりデータ収集を行ったが,経過観察中に重篤な合併症を発症した症例や追跡不可能な症例がおり,解析対象者を精査する必要がある. 2)課題名「糖尿病患者における有酸素運動およびレジスタンス運動が眼圧に与える影響」(UMIN000026615).健常群のデータ収集は,有酸素運動およびレジスタンス運動の2つのプロトコールにおいておおよそ完了した.糖尿病群でのデータ収集については予想よりも協力を得られる患者が少なく,研究期間を1年間延長することとした. 3)課題名「高齢糖尿病患者に対する集中的運動療法介入がロコモ予防に与える効果の検証」(UMIN000024416).本研究では対象を65歳以上に限定しており,半年間の介入/観察期間を設定していることから,患者の同意を得ることが予想していたより困難である.平成29年度には40症例の登録が完了した.目標症例数は100例であり,平成30年度からは新たに1施設を追加してデータ収集を継続することとし,研究期間を1年間延長することとした.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度においては,研究は「やや遅れている」と判断される.以下,1)~3)の研究区分毎に今後の研究の推進方策を示す. 1)平成30年度はデータの精査の下に解析を終了し,成果発表する. 2)継続して糖尿病群でのデータ収集を行い,健常群のデータと合わせて成果発表する. 3)平成29年度においては,さらに協力施設を1施設追加した.平成30年度においては計6施設において,引き続き介入研究を継続する.
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Causes of Carryover |
当初3年度計画であった本研究は1年間延長することとなった.成果報告など,次年度,問題なく使用する計画である.
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Research Products
(4 results)