2016 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病患者のQOL向上の為の新たなリハビリシステムの創生
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15K01448
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
黒沢 忠輝 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (40259792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神成 一哉 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (20241466)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 全身振動 / 筋固縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)パーキンソン病患者に対して全身振動を与えた場合振動が平衡感覚に与える影響を調べることを目的として,実験に使用する正弦波水平全身振動装置の改良を行った.この装置の動作原理はサーボモータの回転をベルトとプーリを介して,クランクに動力を伝えベッドを動かしている.ストロークは120mmである.振動数は0.05Hz~1.00Hzの間で0.05Hz刻みで変更することができる.この装置を用いて健常者に対する振動実験を行った.被験者の人数は計9人である.実験条件は,振動数は0Hz,0.5Hz,0.75Hz,1.0Hzの4種類,振幅120mm振動曝露時間は10分で行った.それぞれの振動数での振動曝露の直後,5分後,10分後,15分後のデータを測定した.測定方法は閉眼歩行,閉眼片足立ち(利き足の逆),アミラーゼストレステストの計3種類を行った.本実験結果では閉眼歩行と閉眼片足立ちの数値は実験前と比較して平衡感覚が向上した可能性を呈するものがあった.またアミラーゼストレステストでは全体的に実験前よりもストレス値が減少した.また分担研究者は引き続きパーキンソン病患者への臨床試験を続けており,全身振動による症状緩和を長際している. (2)上肢運動機能の定量評価システムの構築のため,昨年度製作した装置をカバーの再製作や電源装置の収納スペースの確保等を行った.また装置の改良によりモータにかかるトルクの大きさが変わったため,各ゲインの再選定を行った.試行的に被験者に体験してもらったところ肘がすれてしまうと被験者からの意見があったため,腕と肘を置く部分の改良が必要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究のロードマップでは平成28年度は(1)装置の改良および臨床試験,(2)関節リンク機構の数学モデル化および既約分解表現に基づく定量評価,(3)健常者およびPD患者への臨床,(4)実用可能な装置への改良,を行うことを目的とした.この目的に対し進歩状況はほぼ達成しているものの,前腕揺動装置において被験者が接触する部分への配慮が必要であることが確認されたため,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き前庭系への低周波数の振動刺激を用いて筋固縮症状の改善を調査する.また,その評価のため作製した前腕搖動装置をさらに改良して装置の軽量・小型化および使用法の簡素化をはかり、実際の診療施設やリハビリテーションの現場で医療スタッフが簡便に使用できる装置として普及を目指す.
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Causes of Carryover |
60万円は研究分担者の未使用によるものである. 4,522円は購入予定品の品切れによるものである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究代表者(4,522円):消耗品で使用予定である. 研究分担者(60万円):患者撮影用カメラその他で15万円,6月に海外学会発表で約30万円,消耗品,謝金等で15万円を使用する予定である.
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