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2015 Fiscal Year Research-status Report

高齢者施設における歩行補助具の使用実態と満足度に関する調査研究

Research Project

Project/Area Number 15K01463
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

北島 栄二  長崎大学, 産学官連携戦略本部, 准教授 (10513468)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 東 登志夫  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40244090)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords福祉用具 / 要介護高齢者 / 歩行車 / シルバーカー / 満足度 / 転倒 / 介護保険 / QUEST2.0
Outline of Annual Research Achievements

【対象と方法】長崎市の高齢者通所施設10施設の利用者1,247名を対象に,要介護度ごとの施設利用者数,歩行車・シルバーカー(Sカー)使用者数を把握した.使用者のうち,取り込み基準を満たす者に面接調査を行った.福祉用具満足度評価はQUEST 2.0,生活機能は改訂版FAIを用い,ほか個人属性を聴取した.歩行補助具ごとに要介護度別人数は記述統計,2群の個人属性の比較はχ2検定とt検定を用いた. QUEST 2.0スコアの,群間比較は,Mann-WhitneyのU検定,項目別分析はχ2検定を用いた.有意確率は5%未満とした.長崎大学倫理委員会の承認を受け実施した.
【結果】総利用者数1,247名の内,歩行車44名(3.5%),Sカー53名(4.3%)であった.歩行車は要支援2(29.5%),要介護2(27.3%),要介護1(20.5%)の順に多く,最重度は要介護4(2.3%)であった.Sカーは要支援2(30.2%),要介護1(26.4%),要介護2(18.9%)の順に多く,最重度は要介護3(7.5%)であった.面接対象者は40名,歩行車群20名(男性5名,女性15名,平均年齢83.2 ± 9.6歳,64-99歳),Sカー20名(男性1名,女性19名,平均年齢87.6 ±5.2歳,76-94歳)であった.年齢,性別,要介護度,同居有無,自宅周辺環境は群間で有意差がなかった.改訂版FAIはSカー群が歩行車群に比べ有意に高値を示した.総合スコアと福祉用具スコアは群間に有意差がなかった.サービススコアは歩行車群がSカー群に比べ有意に高値を示した.項目別分析は,福祉用具スコアの全項目ならびにサービススコアの取得手続きと期間,専門家の助言・指導は群間で有意差がなかった.サービススコアの修理とメンテナンス,アフターサービスは歩行車群がSカー群に比べ有意に高値を示した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

Sカー使用者は,要支援2が最も多く,使用者の要介護1の割合(26.4%)は歩行車の割合(20.5%)を超え,要介護1-3の割合を合計すると52.8%であった.このことから,要介護状態になってもSカーを使用し続けている実態が明らかとなった.また,QUEST 2.0の項目別分析結果において,歩行車群とSカー群の間で福祉用具スコアに有意差が認められないことは,Sカー利用者が,専門家の指導・助言を受けずにSカーを使い続けていることで,その使いごこちの変化やその危険性等に気づいていない可能性が考えられた.したがって,Sカーを使用している要介護高齢者へ専門家が介入し,歩行補助具の適合を確認(fitting)することが急務であると考えられた.また,Sカー群は「修理とメンテナンス」「アフターサービス」に対して有意に不十分と感じていた.これらに対し,欧米諸国を参考に介護保険制度上でセラピストが適合に関与する仕組み作りや,メーカーからアフターサービスを受けやすくする制度などの対策が必要ではないかと考えられた.調査結果をもとに論文を執筆し,2016年3月,福祉機器の分野で著名なジャーナルDisability and Rehabilitation: Assistive Technologyに受理された.「Actual use of and satisfaction associated with rollators and “shopping carts”among frail elderly Japanese people using day-service facilities」

Strategy for Future Research Activity

これまで行った研究では,対象者の歩行能力を評価していない.したがって,今後は歩行能力を評価項目に加えた追加調査の実施が必王と考えている.以下に追加調査の計画を述べる.
調査名称「要介護高齢者におけるバランス能力と使用する歩行補助具との関係に関する調査研究」
【調査目的】歩行車とSカーを使用している要介護高齢者の間で,重心動揺検査とTimed Up & Go Test(TUG)の組み合わせでバランス能力を把握し,その能力に違いがあるのかを検証する.検証により得られた結果から,歩行補助具の選定における課題を明らかにする.
【調査対象・内容】長崎市内の通所リハ施設の利用者,取り込み基準は(1)言語的コミュニケーションが可能,(2)認知症の診断あるいは認知症疑いがない,(3)調査に同意する者【方法】聞き取り調査とバランス能力検査.聞き取り調査の項目は(1)対象者の基本情報,(2)改訂版FAI,(3)静的バランス能力検査;重心動揺計用いた静止立位時重心動揺(総軌跡長)の測定,動的バランス能力検査;Timed Up & Go Test(TUG)

Causes of Carryover

平成27年度に,調査協力施設と調査補助員に謝金を支弁する予定であったが,どちらも先方の無償の協力により終了した.そのため,当該年度は謝金の支弁を執行していない.
また,調査結果をまとめた論文を執筆して投稿するに至ったが,その受理が3月であったため,年度内に学会発表が行えなかった.そのため,成果発表のための旅費を執行していない.
上記理由により,未使用額が生じた.

Expenditure Plan for Carryover Budget

このため,論文成果の発表を次年度に行う,また追加調査を引き続き行うこととし,未使用額はその経費に充てることとしたい.

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 高齢者通所施設の要介護高齢者における歩行車とシルバーカーの使用実態と満足度2016

    • Author(s)
      北島 栄二,森内 剛史,磯 直樹,佐賀里 昭,東 登志夫
    • Organizer
      第50回 日本作業療法学会
    • Place of Presentation
      ロイトン札幌(北海道札幌市)
    • Year and Date
      2016-09-09 – 2016-09-11

URL: 

Published: 2017-01-06  

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