2016 Fiscal Year Research-status Report
床反力の可視聴化によるリアルタイムフィードバックを行う歩行訓練システムの開発
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15K01464
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
池内 秀隆 大分大学, 工学部, 准教授 (50264130)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歩行訓練 / 視聴覚フィードバック / 床反力 / 荷重特性 / 脳卒中 / 下肢疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,臨床試験を行う別府リハビリテーションセンターに搬入されたシステムの詳細設定を行い,これらの基礎特性を確認,ソフトウェアの改良を行った後,倫理委員会等,臨床試験を行うための手続きを行い,臨床試験を実施する予定であった。 しかしながら,4月に発生した熊本大分地震の影響で,4月から10月ごろまで,装置を搬入した別府リハビリテーションセンターリハビリ室が使用不能になり(天井の補修が必要になり,安全性の観点から),この間計画していた研究活動が停止状態となった。地震の影響で,研究者の活動についても制限を受け,研究活動の実施が著しく困難となった。この期間も可能な範囲で,ソフトウェアの改良や,使用が再開された場合の準備などを行ったが,予定の研究活動に取り組めたのは10月以降となった。 リハビリ室が使用可能になってから,システムの荷重特性など,基礎的特性を測定し,データの取りまとめを12月までに完了した。 並行して倫理委員会の承認を受けるための作業を行ったが,大分大学が企画し,別府リハで実施するという,前例のない形態のため,両方の施設の倫理委員会の承認を得ることに加え,万一の事態に備えての保険などをどのようにするか,双方の施設の責任分担をどのようにするかという点で,検討・調整が長引き,28年度内に承認を完了することができなかった。 そのため,28年度内に臨床試験に移行することは達成できず,予定していた計画のうち,システムの立ち上げと荷重特性の把握のみにとどまってしまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成28年4月16日から発生した熊本大分地震の影響で,別府リハビリテーションセンターリハビリ室の天井に補修の必要性が発生したため,リハビリ室への入室が禁止となり,搬入していたシステムを使用することができなくなった。また,別府リハの直接の担当者の実家が熊本県益城町で,しばらくの間,研究に関する連絡や実務の実施が不可能になってしまい,10月ごろまで実質的な研究活動ができなくなってしまった。 研究活動再開後は,鋭意,システムの特性把握など研究の遂行を進め,臨床試験を実施可能な段階までシステムの調整などを行ったが,臨床試験の実施に不可欠な倫理委員会の承認に関して時間がかかってしまった。 具体的には,以下の2点で問題が発生した。 1.大分大学が企画し,別府リハビリテーションセンターで臨床試験を実施するという形態のため,双方の倫理委員会の承認を得ることとしたが,一方で承認が下りても,他方で修正や意見が出た場合,もう一方にさし戻して審査しなおすなどの手間がかかった。 2.被験者の事故など,万一の事態が発生した場合の責任分担をどうするか,賠償の負担をどのようにするか,などについて,双方で検討・調整を行うのに時間を要した。このような研究の前例は少なく,保険についても一つでカバーできる保険も見いだせず,研究の責任を全うでき,各倫理委員会の承認が得られる方策を策定するのに時間を要した。 以上のような理由から,28年度内に臨床試験の実施に必要な倫理委員会の承認まで至らず,29年度初めに倫理委員会の承認が得られる見通しが得られるところまでとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度当初に倫理委員会の承認が得られるめどが立ったので,承認が得られ次第,臨床試験の被験者を選定し,できるだけ多くの被験者でデータを得る。 これらのデータの分析と評価を最優先とし,最終年度内に本システムの有効性に関して出来る限りの知見を得ることを目標に努力する。 また,当初は,29年度内に国際会議などで広く成果を発表する予定であったが,時間的に困難なため,国内会議で重点的に発表し,システムの有用性を示せるデータとシステムの改良を行うことを優先して行う。
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