2015 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症者に対する社会参加早期支援プログラムの開発
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15K01471
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| Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
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Principal Investigator |
石井 良和 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (20232241)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷村 厚子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (70315761)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 就労支援 / 精神障害者 / 評価 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，作業療法の概念的実践モデルの一つである人間作業モデルに基づく急性期統合失調症者に対する社会参加支援プログラムの開発を目的としている．その特徴は，統合失調症者のニーズを分析し，生活者としての感覚を担保しながら，治療者側の評価結果と比較検討することにより最適な社会参加に向けたサービスを提供することにある．
当該年度の研究実施計画はプログラムに採用する実践モデルの構築として，1)急性期病棟をもつ精神科病院勤務の作業療法士に協力を求め，その施設における急性期に特有の事情を含む社会参加的ニーズを調査し，2)既存の急性期統合失調症者へのサービス，実践モデルの情報を収集し整理することによって，採用すべき実践モデルを決定し，3)試行版プログラムの開発と試行を実施することを計画していた．
本年度の研究成果としては，上記2)を中心として，国内外における勤労者役割面接（以下，WRI）に関する文献および精神障害領域の就労支援事例における心理社会的・環境側面に関する文献をレビューし，1)および3)への布石とした．WRIの研究は国外にしか見当たらず，その半数は信頼性と妥当性に関するものであったが，ランダム化比較試験での評価項目とされていた研究もあり，WRIは就労効果測定にも有用な評価と考えられた．事例の概要は，復職／就職問わず精神障害の困難をかかえながらも毎日の変化に適応できるよう習慣化に主眼を置いた支援であった．復職支援では職場環境への適応を目指した介入をしていたが，就職支援では働くための習慣化と自己能力の認識や価値に視点を置いた，広い視点で心理社会的側面・環境を評価していた．精神障害者の離職者数が他障害より多い中，支援者側の客観的視点に加え，当事者自身の就労に対する認識を正確に捉える主観的側面からもその就労に影響を及ぼすかどうかを評価する必要があると考察した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要にも記したように，文献レビューによりWRIは精神障害者の就労効果測定に有用な評価と考えられたが，この評価は面接様式によって実施されるものであるため，研究協力者がこの評価に馴染んでもらうことから開始する必要があり，その後，当該協力者の勤務する施設の急性期に特有の事情を含む社会参加的ニーズを調査することになる．本年度の進捗状況としてやや遅れているとしたのは，そうした事情によるもので，現在はより研究の精度をあげるために想定している協力者向けにWRIの実施方法を数名の作業療法士を対象として行っている．
なお，国内外における勤労者役割面接（以下，WRI）に関する文献レビューは平成27年度の日本作業療法学会（６月）で発表し，精神障害領域の就労支援事例における心理社会的・環境側面に関する文献レビューは平成28年度の同学会（９月）にて発表予定である．
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策については，平成28年８月頃を目処に精神科急性期病棟に勤務する作業療法士に協力を求め，その施設における急性期に特有の事情を含む社会参加的ニーズを調査するとともに，その実践モデルの決定から暫定版プログラム作成という平成28年度以降の研究計画へとつなげる予定である．本研究をより円滑に実施するために，研究分担者の追加を行い，地方都市におけるデータ収集にも貢献してもらう予定である．
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| Causes of Carryover |
本研究の中心的評価指標であるWRIは精神障害者の就労効果測定に有用な評価と考えられたが，この評価は面接様式によって実施されるものであるため，研究協力者がこの評価に馴染んでもらうことから開始する必要がある．そのため，より研究の精度をあげるために想定している協力者向けにWRIの実施方法を数名の作業療法士を対象として行っていた．その後の社会参加的ニーズ調査を実施するために必要なWRIマニュアルの発注は済んでいるものの納期が年度を超えたため次年度使用額が生じたものである．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の推進方策については，平成28年８月頃を目処に精神科急性期病棟に勤務する作業療法士に協力を求め，その施設における急性期に特有の事情を含む社会参加的ニーズを調査するとともに，暫定版プログラム作成という平成28年度以降の研究計画へとつなげる予定である．経費は対象となる作業療法士に協力を求めるための謝金として使用する．
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