2015 Fiscal Year Research-status Report
画像・距離情報融合による身体装着型視覚障害者行動支援システムの開発
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15K01482
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中村 明生 東京電機大学, 未来科学部, 准教授 (00334152)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 視覚障害者支援 / 画像情報処理 / 文字抽出 / 段差・障害物検出 / 行動認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
ユーザ身体装着型(ウェアラブル型)の視覚障害者支援システムの開発を目指し,具体的には以下2点を実現しようとしている.平成27年度は要素技術の開発・基礎検討を行った. A. 手に持った物を手探りで撫でる要領で触ることで表面の文字を抽出・認識し,読み上げる. B. 環境中の段差・障害物(物体・移動人物)を検出,ユーザに音声等で案内を行う. Aに関して,まずこれまで行っていた,指先で物体表面の文字列を指定して読み上げを行うシステムの改善を進めた.指先検出手法,指差し文字抽出手法(文字色推定, 文字傾き補正,文字候補抽出およびノイズ除去,文字合成)のアルゴリズムに改良を加え,一般照明環境下での多色背景における文字読み取りの精度向上を目指した.この成果は学術雑誌への投稿予定である.また,指先指定文字だけではなく,手で保持した物体から特定の文字列をキーとして必要情報を抽出する手法についても研究を行っている.たとえば,カメラの前にパッケージをかざすだけで「賞味期限」の文字列およびその数字を認識する手法の基礎検討を行い,学会発表予定である.また,手ブレなどの微振動へ対応するために背景差分の改良手法の提案にも取り組んでいる. Bに関しては,前方段差検出プロトタイプシステムを元に,RGBDセンサを併用して3次元情報獲得を目指した手法提案を行った.さらに,屋内誘導のための分岐路検出やトイレや名札といったピクトグラム認識に基づく自己位置簡易同定手法についても検討を行っている.これらの成果の一部は学会発表を行っている.さらに,行動認識・行動予測に関しては,他プロジェクトの知見も活かし,特徴量や手法に関する検討を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は要素技術の開発・基礎検討を行ったといえる.原則として申請書に記載した項目に取り組んだ.平成27年度予定の一部に未実施(指先領域の抽出精度の改善)のものがあったり,逆に平成28年度予定の一部を先取り実施(微振動への対応,行動認識・予測など)したりしているが,おおむね予定通りであると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
原則として申請書に記載した項目を大学院生複数人体制により実施する予定である.
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Causes of Carryover |
画像・データ処理用PCなどの購入により,物品費は予定を上回ったが,成果発表他のための旅費が予定より圧縮できたためである(国内は首都圏での発表が多く,国外はアジアかつ時期的に旅費が安かった). そのため,年度末残額を次年度使用とした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度繰越分は電子機械部品等の物品費や成果発表のための旅費等に充当する予定である.
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Research Products
(4 results)