2015 Fiscal Year Research-status Report
運動イメージ脳波と聴覚性P300を使用した意思伝達装置
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15K01488
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
山脇 伸行 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (40278734)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 意思伝達装置 / 脳波 / 運動イメージ / 事象関連電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
聴覚性の事象関連電位と運動イメージ脳波を使用した意思伝達装置開発のための脳波計測実験を実施した。20歳代の大学生4名(男性3名、女性1名)に被験者を依頼した。それら4名の被験者は本研究に新規に参加したため、意思伝達装置を使用するためのトレーニングから開始した。第一段階として、左または右の腕の運動をランダムにイメージしてもらい、脳波から左右どちらの腕の運動をイメージしたかを推測するトレーニング実験を行った。しかし、まだトレーニングが途中の段階にあるため、高正答率を得るには至っていない。別の被験者で過去に実施した実験では、トレーニングの実施毎に正答率が向上していたが、今回の実験ではまだ高正答率には達していない。通常は、左と右の腕の運動イメージ時の脳波に違いが現れ、トレーニングによってその違いが大きくなるが、今回の実験データでは実験日によってその違いが異なり、安定していない。その原因として、実験環境(騒音等、被験者が実験に集中できない場合があった)、運動イメージの良し悪しを確認するためのフィードバックが不十分であったこと等が考えられる。しかしながら脳波の解析方法を改良することで、正答率を向上させることができる可能性があり、収集したデータは新たな解析方法の開発に活用する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
被験者と実験担当者(本研究の申請者)の都合が合わない場合が多く、結果として長期休暇中(春休み)に集中的に実験することとなった。そのため十分な実験ができず、被験者のイメージトレーニングが完了していない。結果として、必要な脳波データが得られていない状況にある。 脳波の計測実験以外では、学外で実験するために必要な小型脳波計(本研究用の専用機)の開発(企業との共同研究)を開始しており、完成し次第、本研究で使用する。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者が勤務している大学の学生に被験者を依頼する場合は、それらの学生が実験に参加可能な4,5,8,9,1,2月に実験を行う。また他大学等の学外施設でも被験者を募り、被験者数と実験回数を増やす。これについては既に学外の機関に協力を依頼している。 今年度は、シールドルームを使用するなど、騒音が少なく、被験者が集中できる環境で実験を実施する。また、実験システムについては、効率よくトレーニングできるように、運動イメージの良し悪しを確認するためのフィードバック機能を強化する。
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Causes of Carryover |
被験者と実験担当者(本研究の申請者)の都合が合わない場合が多く、結果として長期休暇中(春休みの2, 3月)に実験することとなり研究が遅れ、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
4, 5月に実験可能な被験者が4名おり、6月以降新たな被験者が数名参加予定のため研究費を「人件費・謝金」、学外で実験するため「旅費」として使用する。その他、実験で使用する消耗品(電極、電極糊、脱脂綿、消毒用アルコール等)の購入や研究結果の発表用の「旅費」としての使用を計画している。
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