2015 Fiscal Year Research-status Report
北海道の小学生における多機能運動能力の発達および季節変動について
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15K01497
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
志手 典之 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10178874)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 多機能運動能力 / BSSC運動遂行能力 / 小学生 / 積雪寒冷地 / 季節変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究(2015~2016年度)の課題は、第一に小学生の多機能運動能力(走能力・巧緻性・敏捷性を含む)測定システムを開発し、その有用性を検証することである。第二に北海道に在住する小学生を対象に、横断的研究から小学校期の体力の発達様相を捉えるとともに、縦断的研究から体力の年間推移を検討し、特に冬季における体力の維持に着目して、北海道の子ども達の体力向上に貢献する基礎的データを収集することである。2015年度は、岩見沢市内の小学校の協力を得て、1年生から6年生の男女児童を対象に、多機能運動能力測定システム(N Challenge)およびリバウンドジャンプによるBSSC運動の遂行能力を測定し、各学年の新体力テストの測定結果との関連性を検討した。 本研究の対象は、岩見沢市立岩見沢小学校の男女児童314名(1年生:59名・2年生:55名・3年生:52名・4年生:48名・5年生:60名・6年生:40名)であった。N Challengeの測定では、低学年の児童でも、設定されたコースを無理なく完走できたとともに、測定値の再現性・信頼性が高かったことから、至適なコースセッティングであったと考えられる。したがって、今回の設定によるコースセッティングを採用し、今後の測定を実施するものとした。 N ChallengeおよびBSSC運動遂行能力と新体力テスト8種目(握力・上体起こし・長座体前屈・反復横跳び・20mシャトルラン・50m走・立ち幅跳び・ボール投げ)との単相関分析から、いずれの学年においても、N Challengeにおける各パラメーターの方がBSSC運動遂行能力の各パラメーターよりも新体力テストとの関連性が高かった。このことは、N Challengeが新体力テストにおけるパフォーマンスを推定できる指標となるものと考えられ、その有用性が高いことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
追加採択であったため、多少準備不足であったものの、岩見沢市内で2015年度から2017年度まで協力してもらうことのできる小学校を確保でき、安定した研究協力体制が得られた。また、岩見沢市教育委員会の全面的な理解の下、今年度実施の新体力テストのデータ提供も得られた。測定の実施に当たり、小学校側と綿密に日程を調整し、予定していた全児童の測定が実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
【2016~2017年度】岩見沢市内の協力校の1~6年生の男女児童を対象に、N ChallengeおよびBSSC運動遂行能力を測定する。当初計画では、冬期間をはさみ計4回(6月・9月・12月・翌年2月)を予定していたが、協力校の学校行事予定を優先するため、7月と翌年2月の2回の測定実施となった。冬期間をはさんでの季節変動の影響については検討できるものと考える。 これらの測定から、児童の多機能運動能力およびBSSC運動遂行能力の発達様相・発達の個人差・男女差を検討するとともに、これらの能力に及ぼす冬季の影響を検討する。
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Causes of Carryover |
・物品費については、N Challennge用に購入予定の物品が当初予定予定を下回ったため。 ・人件費・謝金については、測定が予定より早く終了し、測定補助学生の拘束時間が予定していた時間を下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用の45,500円については、物品費に計上し、N Challennge測定システムの充実を図る。
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